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リース・レンタルの市場規模|リース取扱高の推移とリース比率の低下【2026年版】

日本のリース市場は、リース取扱高(その年度の新規契約額)が2024年度に5兆847億円(前年度比+9.8%)となり、3年連続で増加しました。ただしバブル期の8兆8,016億円(1991年度)からは長期的に縮小し、設備投資に占めるリース比率は4.34%まで低下しています。短期賃貸のレンタル市場は別の統計で年間売上高1兆9,066億円規模(自動車を除く)です。取扱高の長期推移・リース比率の低下・リースとレンタルの規模の違いを順に整理します。

リース取扱高(2024年度)
5.1兆円
新規契約額、50,847億円、前年度比+9.8%
出典: リース事業協会 リース統計
前年度比(2024年度)
+9.8%
3年連続の増加
出典: リース事業協会 リース統計
リース比率(2024年度)
4.34%
リース設備投資額÷民間設備投資額。2002年度の8.44%から低下
出典: リース事業協会 リース統計(民間設備投資は内閣府)
ピーク(1991年度)
8.8兆円
88,016億円。2024年度はピークの約6割の水準
出典: リース事業協会 リース統計

リース取扱高の推移(1990-2024年度、億円)

新規契約額。バブル期の8兆8,016億円(1991年度)をピークに縮小、2021年度4兆2,186億円を底に2024年度5兆847億円まで回復
単位: 億円
025,00050,00075,000100,00084,1529076,2149579,4570079,4130545,5531050,3931545,9102050,84724
出典: リース事業協会 リース統計(リース取扱高=新規契約額、年度次、会員ベース)
年度19901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
リース取扱高億円84,15288,01677,74271,82573,49776,21482,86779,30471,44574,02479,45777,33773,74373,77876,25279,41378,67771,54260,56449,21945,55345,99748,75452,39048,25250,39350,20348,75950,12953,33145,91042,18643,10646,29950,847
前年比+4.6%-11.7%-7.6%+2.3%+3.7%+8.7%-4.3%-9.9%+3.6%+7.3%-2.7%-4.6%+0.0%+3.4%+4.1%-0.9%-9.1%-15.3%-18.7%-7.4%+1.0%+6.0%+7.5%-7.9%+4.4%-0.4%-2.9%+2.8%+6.4%-13.9%-8.1%+2.2%+7.4%+9.8%
読み解き

リース取扱高は、バブル期の8兆8,016億円(1991年度)をピークに長期的に縮小しました。2009年のリーマンショック後に5兆円を割り込み、2019年度に5兆3,331億円まで戻したところで新型コロナの影響を受け、2021年度に4兆2,186億円まで落ち込みました。

その後は3年連続で増加し、2024年度は5兆847億円(前年度比+9.8%)となりました。ただしピーク時(8兆円台)の約6割の水準で、長期の縮小トレンドから完全に回復したわけではありません。近年の増加は、情報通信機器や輸送用機器の更新需要が支えています。

リース比率の推移(1990-2024年度、%)

設備投資に占めるリースの割合。2002年度の8.44%をピークに低下し、2024年度は4.34%
単位: %
0.02.55.07.510.07.1907.7958.0008.2055.7105.4155.0204.324
出典: リース事業協会 リース統計(リース設備投資額÷民間設備投資額、民間設備投資は内閣府・名目)
年度19901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
リース比率%7.107.417.197.957.667.668.057.687.267.827.958.388.448.378.408.167.997.166.526.145.675.565.956.015.275.435.435.155.135.464.994.354.104.254.34
読み解き

リース比率は、民間企業の設備投資のうちリースで調達された割合を示します。1990年代から2000年代前半は7〜8%台で推移し、2002年度に8.44%でピークを付けました。その後は一貫して低下し、2024年度は4.34%と、ピークの半分以下になっています。

低下の背景には3つの要因があります。第一に企業の手元資金が潤沢になり設備を自己資金で持つ傾向が強まったこと、第二にリースの中心だったIT機器がクラウドやサブスクリプションへ移行したこと、第三に会計制度の変化です。2008年度の会計基準改正で、リース料総額で物件価格をほぼ回収するファイナンスリース(実質的に分割購入に近いリース)が資産計上(オンバランス)に変わりました。それまではリース物件を貸借対照表に載せずに済み(オフバランス=簿外処理)、自己資本比率などの財務指標が良く見える利点がありましたが、この利点が薄れたことが低下につながりました。

このグラフに関連するトピック

リースとレンタルの規模(統計別)

統計・集計範囲が異なるため単純合算はできない。リースは新規契約額(フロー)、レンタルは年間売上高
リース取扱高(新規契約額)
規模
5兆847億円
時点
2024年度
出典・集計範囲
リース事業協会(会員ベース、フロー)
レンタル売上高
規模
1兆9,066億円
時点
2023年度
出典・集計範囲
特定サービス動態(自動車賃貸業を除く)
(参考)物品賃貸業の売上
規模
10兆3,191億円
時点
2016年
出典・集計範囲
経済センサス(全数。リース6兆9,068億円+レンタル3兆4,123億円)
読み解き

リースとレンタルの規模は、見る統計によって数字が異なります。リース事業協会のリース取扱高は新規契約額(フロー)で2024年度に5兆847億円、特定サービス動態のレンタル売上高は1兆9,066億円(2023年度、自動車を除く)です。両者は集計の方法も対象も異なるため、足し合わせて「業界全体で○兆円」とするのは適切ではありません。

参考として、5年ごとの経済センサス(全数調査)では、物品賃貸業全体の売上を一つの基準でリースとレンタルに分けています。2016年時点で物品賃貸業の売上は10兆3,191億円で、うちリースが6兆9,068億円、レンタルが3兆4,123億円でした。この基準ではリースが約3分の2を占めます。リース事業協会の取扱高(新規契約、会員ベース)とは集計が異なるため、数字の水準も違う点に注意が必要です。

主要論点

リース取扱高はなぜバブル期から縮小したのか?

リース取扱高は、1991年度の8兆8,016億円をピークに長期的に縮小し、2024年度は5兆847億円とピークの約6割の水準です。背景には、設備投資のあり方の変化と会計制度の影響があります。

第一に設備投資の自己資金化です。日本企業の手元資金が潤沢になり、設備を借りるよりも自己資金や低利の借入で持つ傾向が強まりました。第二に設備のソフトウエア・サービス化で、かつてリースの中心だった大型のIT機器やオフィス機器が、クラウドやサブスクリプションへ移行しました。

第三に会計制度の変化です。2008年度の会計基準改正でファイナンスリースが原則として資産計上(オンバランス)に変わり、貸借対照表に載せずに済むというリースの利点が薄れました。これらが重なり、設備投資に占めるリース比率は2002年度の8.44%から4.34%へと半分以下になっています。

リースとレンタルの規模はどう捉えればよいのか?

リースとレンタルは、どちらも物品を借りて使う取引ですが、別々の統計で集計されており、単純に足し合わせることはできません。リース取扱高は新規契約額(フロー)で2024年度に5兆847億円、レンタル売上高は年間売上高で1兆9,066億円(2023年度、自動車を除く)です。

性質の違いが統計を分けています。リースは特定の利用者向けに物件を中長期で賃貸する金融に近い取引で、毎年の「新規に結んだ契約の総額」を取扱高として捉えます。レンタルは汎用的な物品を在庫として保有し短期で貸し出す取引で、毎年の「貸出による売上高」を捉えます。

業界全体の規模を一つの基準で見たい場合は、5年ごとの経済センサスが参考になります。2016年時点で物品賃貸業の売上は10兆3,191億円で、リースが約3分の2、レンタルが約3分の1でした。ただしこれも調査年が古く、リース事業協会の取扱高とは集計が異なります。

近年3年連続で増えているのはなぜか?

長期では縮小トレンドにあるリース取扱高ですが、2022年度以降は3年連続で増加し、2024年度は前年度比+9.8%となりました。これは縮小トレンドの反転というより、特定の機種の更新需要によるものです。

牽引しているのは情報通信機器です。2024年度の機種別取扱高では情報通信機器が最大で、パソコンや通信機器、ソフトウエアの更新・導入需要が取扱高を押し上げています。データセンターやデジタル化投資の活発化も追い風です。輸送用機器(自動車)や商業・サービス業用機器も増加しています。

ただし、この増加が長期トレンドを変えるかは見通せません。リース比率は2024年度も4.34%と低水準で、設備投資全体に占めるリースの位置づけが大きく回復したわけではない点には注意が必要です。

中期見通し

近未来1-2年

2025-2026年度は、情報通信機器の更新需要を中心に取扱高の増加が続くとみられます。デジタル化投資やデータセンター関連の設備需要が下支えします。一方、調達金利の上昇はリース会社の利ざやを圧迫する要因となり、リース料への転嫁が課題となります。

中期3-5年

中期では、2027年4月から適用される新リース会計基準の影響が論点です。借り手側でオペレーティングリースも資産計上されるため、企業のリース利用判断に影響する可能性があります。一方で、会計処理の変化が需要を大きく左右しないとの見方もあり、機種別の更新サイクルが取扱高を決める基調が続く見通しです。

長期

長期では、設備投資の自己資金化やサービス化の流れが続き、リース比率が大きく反転する展開は見込みにくい状況です。リース会社は、従来の物件リースに加え、サブスクリプションや環境・エネルギー設備、海外事業など、新たな成長領域の開拓を進めています。市場規模を読む際は、取扱高(フロー)とリース債権残高(ストック)の区別、リースとレンタルの統計の違いを踏まえることが前提となります。

よくある質問

リースの市場規模はどのくらいですか?
リース取扱高(その年度の新規契約額)で、2024年度に5兆847億円(前年度比+9.8%)です(リース事業協会)。3年連続で増加していますが、バブル期の8兆8,016億円(1991年度)からは長期的に縮小しており、ピークの約6割の水準です。なお取扱高はその年度の新規契約額(フロー)で、リース会社が保有する債権残高(ストック)とは異なる指標です。
リース比率とは何ですか?
リース比率は、民間企業の設備投資のうちリースで調達された割合です。2024年度は4.34%で、2002年度の8.44%をピークに低下してきました。設備投資の自己資金化、IT機器のクラウド・サブスクへの移行、2008年度の会計基準改正によるオフバランスの利点の縮小が、長期的な低下の背景にあります。
リースとレンタルの市場規模を足すといくらですか?
リース取扱高(5兆847億円、2024年度)とレンタル売上高(1兆9,066億円、2023年度・自動車を除く)は、別々の統計で集計方法も対象も異なるため、単純に足し合わせることはできません。一つの基準で見たい場合は5年ごとの経済センサスが参考になり、2016年時点で物品賃貸業の売上は10兆3,191億円(リース約3分の2、レンタル約3分の1)でした。
なぜ近年は取扱高が増えているのですか?
2022年度以降は3年連続で増加し、2024年度は前年度比+9.8%でした。情報通信機器(パソコン・通信機器・ソフトウエア)の更新・導入需要が中心で、データセンターやデジタル化投資が追い風です。ただしリース比率は4.34%と低水準のままで、長期の縮小トレンドが反転したとは言えません。
市場規模のデータの出典は何ですか?
リース取扱高・リース設備投資額・リース比率は、リース事業協会「リース統計」(会員ベース)が出典です。レンタル売上高は経済産業省「特定サービス産業動態統計」(自動車賃貸業を除く)、物品賃貸業の全数の売上は総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」によります。それぞれ集計範囲が異なるため、本ページでは別の系列として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    公益社団法人リース事業協会「リース統計」
  2. 2.
    経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」
  3. 3.
    総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」
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