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総合リース大手の主要企業|規模・収益の比較と会計基準の違い【2026年版】

総合リース大手の主要企業を、純利益・総資産・営業収益という財務指標で比べます。最も純利益が大きいのは多角化が進んだオリックス(純利益3,516億円)で、三菱HCキャピタル(同1,352億円)・東京センチュリーが続きます。ただし総資産はオリックスが16.9兆円と突出するものの、その大半はリース以外の事業の資産で、会計基準も各社で異なります。数値の読み方に注意しながら、規模と収益力を整理します。

総合リース大手の規模・収益比較

純利益順。総資産・営業収益は多角化・グロス計上・会計基準差の影響に注意(FY2025/3)

下表は上場する総合リース大手7社を純利益の大きい順に並べたものです。純利益はオリックスが3,516億円で最大、三菱HCキャピタル1,352億円、東京センチュリー853億円と続きます。総資産の順位(オリックス、三菱HCキャピタル、東京センチュリーの順)は、多角化やグループ事業の資産を含むため、リース事業の規模そのものを示すものではありません。営業収益(売上高)はグロス計上かつ会計基準で表記が異なり、規模の比較には不向きです。リース事業の規模は本来「営業資産」で見るのが実態に近いのですが、その開示基準が会社ごとに異なる(専業性の高い4社は狭義の「営業資産残高」、三菱HCキャピタル・東京センチュリーは広義の「セグメント資産」、オリックスはIFRSで単一の営業資産を開示しない)ため、全社を一つの列に並べることはできません。各社のリース事業の規模感は、下の各社解説で基準を添えて示します。

オリックス
純利益
3,516
総資産
16.9
営業収益・売上高
28,748
会計基準
IFRS
三菱HCキャピタル
純利益
1,352
総資産
11.8
営業収益・売上高
20,908
会計基準
日本基準
東京センチュリー
純利益
853
総資産
6.9
営業収益・売上高
13,686
会計基準
日本基準
芙蓉総合リース
純利益
453
総資産
3.6
営業収益・売上高
6,784
会計基準
日本基準
みずほリース
純利益
420
総資産
3.9
営業収益・売上高
6,954
会計基準
日本基準
リコーリース
純利益
157
総資産
1.4
営業収益・売上高
3,122
会計基準
日本基準
NECキャピタルソリューション
純利益
66
総資産
1.2
営業収益・売上高
2,549
会計基準
日本基準

オリックス — 独立系・多角化で純粋なリース比較はできない

オリックスは、純利益3,516億円・総資産16.9兆円と財務の規模では7社で最大です。ただし、その数値を他のリース会社と単純に並べることはできません。会計基準が国際会計基準(IFRS)で他社(日本基準)と異なるうえ、リース・割賦などの法人金融は事業の一部門にすぎず、不動産、生命保険、銀行、事業投資、環境エネルギー、海外事業へと多角化しているためです。

そのため、総資産16.9兆円の大半はリース以外の事業の資産であり、この数値を「リース事業の規模が最大」と読むのは誤りです。営業収益28,748億円も、多角化した各事業の売上を合算したものです。オリックスは、リース専業から事業投資会社へと姿を変えてきた独立系の代表で、財務の大きさは総合金融・事業投資グループとしての規模を表しています。

三菱HCキャピタル — 銀行系で規模2位、2021年統合の総合リース

三菱HCキャピタルは、純利益1,352億円・総資産11.8兆円と、上場リース会社では最大規模です。2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルが統合して発足した三菱UFJフィナンシャル・グループ系の総合リース会社で、航空機・環境エネルギー・モビリティなど幅広い分野に事業を持ちます。

同社が開示するセグメント資産残高は11兆7,623億円ですが、これは営業資産に加えて、持分法投資(出資先企業への投資)・のれん(買収で生じた無形資産)・投資有価証券などを含む広い概念で、連結総資産にほぼ等しい水準です。後述の専業性が高い会社の「営業資産残高」とは集計範囲が異なるため、単純な大小比較には注意が必要です。

東京センチュリー — 商社系、航空機・データセンターへ

東京センチュリーは、純利益853億円・総資産6.9兆円の伊藤忠商事系の総合リース会社です。利益の源泉となるセグメント資産残高は6兆599億円で、航空機リース(ACG)や国際事業、データセンターへの投資を伸ばしています。

セグメント資産は三菱HCキャピタルと同様に広い概念で、専業会社の営業資産残高とは集計範囲が異なります。商社系として、親会社である伊藤忠商事の事業ネットワークや海外網と歩調を合わせ、リースにとどまらない事業投資を展開している点が特徴です。

芙蓉総合リース・みずほリース — みずほ系の専業性が高い銀行系

芙蓉総合リースは純利益453億円・総資産3.6兆円、みずほリースは純利益420億円・総資産3.9兆円で、いずれもみずほフィナンシャルグループ系の銀行系です。両社はオリックスや三菱HCキャピタルより総資産は小さいものの、リース・割賦を中心とする専業性が高いのが特徴です。

リース事業に近い営業資産残高(狭義)で見ると、芙蓉総合リースが3兆721億円、みずほリースが3兆2,819億円です。この営業資産残高は、リース債権・リース投資資産・割賦債権・営業貸付金・賃貸資産などを集計したもので、リース事業の規模を総資産より直接的に表します。みずほリースは丸紅と資本提携するなど、銀行系のなかでも独自の事業構成を持ちます。

リコーリース・NECキャピタルソリューション — メーカー系

リコーリース(純利益157億円・総資産1.4兆円)はリコー系、NECキャピタルソリューション(純利益66億円・総資産1.2兆円)はNEC系のメーカー系リース会社です。親会社の製品販売を金融面で支えるベンダーファイナンスを起点とし、情報機器に強みを持ちます。

営業資産残高(狭義)はリコーリースが1兆1,704億円、NECキャピタルソリューションが1兆470億円で、専業の大手より規模は小さいものの、特定の物件分野に密着した収益基盤を持ちます。両社とも、親メーカー以外の物件や独立した金融・サービス事業へと裾野を広げています。

三井住友ファイナンス&リース(SMFL) — 非上場だがリース資産は最大級

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、三井住友フィナンシャルグループと住友商事が共同出資する非上場の総合リース会社で、上場各社のような有価証券報告書での財務開示がないため、本ページの比較表には含めていません。ただし、リース資産の規模では業界でも最大級とされ、表に載らないからといって小さいわけではありません。

SMFLは、SMBCアビエーションキャピタルを通じた航空機リースに強みを持つほか、不動産・環境エネルギーなど幅広い分野で事業を展開しています。非上場のため開示される情報は限られますが、親会社の三井住友フィナンシャルグループの開示などから、総合リース大手の一角を占める規模であることがうかがえます。

主要論点

なぜ総資産でリース会社の規模を測れないのか?

リース会社の規模を総資産で測ると、実態を見誤ります。最大の理由は、総資産には多角化した事業の資産が含まれるためです。総資産が最大のオリックス(16.9兆円)は、リース・割賦などの法人金融に加え、不動産・生命保険・銀行・事業投資・環境エネルギーなどへ多角化しており、総資産の大半はリース以外の資産です。

三菱HCキャピタルや東京センチュリーが開示する「セグメント資産」も、営業資産に持分法投資・のれん・投資有価証券などを加えた広い概念で、連結総資産に近い水準です。一方、芙蓉総合リースやみずほリースが開示する「営業資産残高」は、リース債権・割賦債権・賃貸資産などに絞った狭い概念です。同じ「資産」でも集計範囲が会社ごとに異なるため、総資産やセグメント資産を横並びにして「リース規模の順位」とするのは適切ではありません。

リース事業の規模を比べたいときは、各社が開示する営業資産残高(基準が同じ会社どうし)や、契約実行高・取扱高といったフローの指標を、基準をそろえて見る必要があります。

規模と収益性はどう見ればよいか?

本ページでは、多角化やグロス計上の影響を受けにくい純利益を主な序列としています。純利益はオリックス(3,516億円)、三菱HCキャピタル(1,352億円)、東京センチュリー(853億円)の順で、上位3社が他社を大きく上回ります。ただし、純利益にも多角化した事業からの利益が含まれ(オリックスの純利益にはリース以外の事業の利益も含まれます)、純利益の順位がそのままリース事業の順位を示すわけではありません。

営業収益(売上高)は規模の比較に向きません。リース会社の営業収益は、リース料に物件の取得原価相当を含めてグロス(総額)で計上されることが多く、会計基準でも表記が異なる(IFRS=営業収益/日本基準=売上高)ためです。売上高の大小は、ビジネスの取り扱い規模をある程度示しても、利益や資産の効率を表すものではありません。

収益性を見るときは、純利益の絶対額に加えて、各社のリース事業の営業資産に対してどれだけ利益を上げているかという視点が有効です。ただし、ROEや自己資本比率などの比率は各社の開示値を確認する必要があり、本ページでは独自に算出した比率は掲載していません。

出自の違いは財務にどう表れるか?

総合リース大手の財務には、独立系・銀行系・商社系・メーカー系という出自の違いが表れます。独立系のオリックスは、リースを起点に事業投資へ多角化し、財務の規模・純利益とも最大ですが、その数値はリース以外の事業を多く含みます。

銀行系の三菱HCキャピタル・芙蓉総合リース・みずほリースは、親銀行の信用力を背景にした資金調達力が強みで、純利益でも上位から中位を占めます。商社系の東京センチュリーは、伊藤忠商事の事業ネットワークを生かして航空機・国際・データセンターへ事業を広げ、セグメント資産を伸ばしています。

メーカー系のリコーリース・NECキャピタルソリューションは、親会社の製品分野に密着するぶん規模は相対的に小さいものの、特定分野での収益基盤を持ちます。このように、財務の規模や事業構成は、各社がどの出自から出発し、どこへ多角化してきたかを反映しています。

中期見通し

近未来1-2年

各社は、国内リース市場の成熟を背景に、航空機・環境エネルギー・海外・事業投資といった非リース・成長分野への多角化を続けます。2027年4月からの新リース会計基準への対応や、調達金利の動向が各社の収益に影響します。財務の規模では上位3社と中堅の差が続く見通しです。

中期3-5年

統合・再編とポートフォリオの組み替えが、各社の財務を左右します。三菱HCキャピタルの統合のような大型再編や、出資・提携による事業の取り込みが、規模と収益の序列を動かす可能性があります。出自ごとの強み(銀行系の調達力、商社系の海外網、独立系の投資力)を生かした分野の選択が、収益性の差として表れます。

長期

長期では、設備・物品の調達が所有から利用へと移るなか、各社は金融とサービスを組み合わせた事業へと収益構造を変えていくとみられます。リース料収入に依存しない手数料・サービス収益や、事業投資からの利益が、財務の姿をさらに多角化させる可能性があります。

よくある質問

リース会社で最大手はどこですか?
指標によって答えが変わります。純利益・総資産ではオリックス(純利益3,516億円・総資産16.9兆円)が最大ですが、オリックスは多角化が進み数値の大半はリース以外です。上場リース会社では三菱HCキャピタル(純利益1,352億円・総資産11.8兆円)が最大規模です。非上場の三井住友ファイナンス&リースもリース資産では最大級とされます。
なぜ総資産でリース規模を比べてはいけないのですか?
総資産には多角化した事業の資産が含まれるためです。オリックスの総資産16.9兆円の大半は不動産・保険・銀行・事業投資などリース以外の資産です。三菱HCキャピタルや東京センチュリーの「セグメント資産」も持分法投資やのれんを含む広い概念で、芙蓉総合リースなどの「営業資産残高」(リース債権・賃貸資産など)とは集計範囲が異なります。資産の集計基準が会社ごとに違う点に注意が必要です。
営業収益(売上高)で規模を比べられますか?
比べにくい指標です。リース会社の営業収益はグロス(総額)で計上されることが多く、会計基準でも表記が異なります(IFRS=営業収益/日本基準=売上高)。売上高の大小は取り扱い規模をある程度示しますが、利益や資産の効率を表すものではありません。本ページでは、多角化やグロス計上の影響を受けにくい純利益を主な序列としています。
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)はなぜ表にないのですか?
SMFLは三井住友フィナンシャルグループと住友商事が共同出資する非上場の会社で、上場各社のような有価証券報告書での財務開示がないため、比較表には含めていません。ただしリース資産の規模では業界でも最大級とされ、SMBCアビエーションキャピタルを通じた航空機リースなどに強みを持ちます。表に載らないからといって規模が小さいわけではありません。
リース事業の規模はどの指標で見ればよいですか?
各社が開示する営業資産残高(リース債権・リース投資資産・割賦債権・賃貸資産などの合計)が、リース事業の規模を総資産より直接的に表します。ただし、三菱HCキャピタルや東京センチュリーは持分法投資などを含む広い「セグメント資産」で開示し、オリックスはIFRSで単一の営業資産を開示しないなど、基準が会社ごとに異なる点に注意が必要です。基準が同じ会社どうしで比べるのが基本です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    EDINET各社 有価証券報告書(FY2025/3)
  2. 2.
    EDINET各社 有価証券報告書 セグメント情報・営業資産残高
  3. 3.
    三井住友ファイナンス&リース(SMFL)会社開示・親会社開示
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