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レンタル市場の規模|売上高の推移と土木・建設機械中心の内訳【2026年版】

短期で物品を貸し出すレンタル市場は、売上高が2023年度に1兆9,066億円(自動車を除く)でした。物件別では土木・建設機械が1兆2,416億円(構成比65.1%)と6割超を占め、建設機械のレンタルが市場の中心です。売上高の長期推移と物件別の内訳、建機レンタルを担う主なプレイヤーを整理します。

レンタル売上高(2023年度)
1.9兆円
19,066億円、自動車賃貸業を除く
出典: 経済産業省 特定サービス産業動態統計
土木・建設機械(2023年度)
1.2兆円
12,416億円、物件別で最大、構成比65.1%
出典: 経済産業省 特定サービス産業動態統計
事業所数
5,546事業所
物品賃貸業(自動車賃貸業を除く)のレンタル事業所数
出典: 経済産業省 特定サービス産業動態統計
従業者数
70,319
レンタル事業所の従業者数
出典: 経済産業省 特定サービス産業動態統計

レンタル売上高の推移(1988-2023年度、億円)

自動車賃貸業を除く。コロナ前の2019年度1兆9,405億円まで伸び、2020年度に落ち込み後に回復。★2010年度から2011年度にかけて調査手法の変更による段差があり、それ以前と以降は接続して比較できない
単位: 億円
05,00010,00015,00020,0008,8518810,8939010,972959,524009,6770511,6361017,4191518,5702019,06623
出典: 経済産業省 特定サービス産業動態統計(レンタル物件別売上高、自動車賃貸業を除く、年度次)
年度198819891990199119921993199419951996199719981999200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014201520162017201820192020202120222023
レンタル売上高億円8,8519,76710,89311,80511,66811,18410,94910,97211,00710,2869,1889,0759,5249,5019,9919,7479,5369,6779,91710,1059,62711,20611,63614,97315,50216,60017,18917,41917,54417,77218,66219,40518,57018,47018,33119,066
前年比+10.3%+11.5%+8.4%-1.2%-4.1%-2.1%+0.2%+0.3%-6.6%-10.7%-1.2%+5.0%-0.2%+5.2%-2.4%-2.2%+1.5%+2.5%+1.9%-4.7%+16.4%+3.8%+3.5%+7.1%+3.5%+1.3%+0.7%+1.3%+5.0%+4.0%-4.3%-0.5%-0.8%+4.0%
読み解き

レンタル売上高は、長期で緩やかに拡大してきました。バブル期の1990年代前半は1兆円台で推移し、その後1兆円前後で横ばいとなった後、2009年度以降に再び拡大して直近は1兆9,000億円規模となっています。新型コロナ前の2019年度に1兆9,405億円まで伸び、2020年度に落ち込んだ後、2023年度は1兆9,066億円まで回復しました。

注意点として、2010年度から2011年度にかけて約+28.7%(11,636億円から14,973億円)の段差があります。これは調査の対象や手法の変更によるもので、実際の市場がこの年に急成長したわけではありません。このため、2010年度以前と2011年度以降は接続して比較できず、グラフでも段差として表れます(2011年度の前年比は「—」としています)。なお本調査は2024年12月で終了し、2023年度が最終の完全な年度です。

物件別レンタル売上高(2023年度、億円)

土木・建設機械が6割超を占める。情報関連機器・事務用機器などが続く(四捨五入のため内訳の合計は売上高合計とわずかに異なる)
項目売上高(億円)構成比シェア
土木・建設機械12,41665.1%
情報関連機器1,94810.2%
事務用機器7533.9%
音楽・映像記録物4242.2%
その他3,52618.5%
レンタル売上高計19,067100.0%
読み解き

物件別では、土木・建設機械が1兆2,416億円(構成比65.1%)と6割超を占めます。建設現場では、油圧ショベル・クレーン・高所作業車・発電機など多様な重機を、工期に合わせて必要な期間だけ使うため、保有よりレンタルでの調達が合理的です。建設投資の動向がレンタル市場全体を大きく左右します。

次いで情報関連機器(1,948億円)、事務用機器、音楽・映像記録物が続きます。パソコンやイベント用の機材など、短期で使う物品が幅広くレンタルの対象です。なお本統計は自動車賃貸業を除いており、レンタカー・カーシェアは含まれていません。

主要論点

なぜ土木・建設機械がレンタル市場の6割超を占めるのか?

物件別では土木・建設機械が1兆2,416億円(構成比65.1%)と6割超を占めます。建設機械がレンタルと相性がよいのは、設備の性質によるものです。

油圧ショベルやクレーン、高所作業車などの建設機械は高額で、しかも工事ごとに必要な機種や使う期間が変わります。すべてを自社で保有すると、使わない期間も維持費や保管の負担が生じ、稼働率が下がります。必要なときに必要な機種を借りるレンタルなら、保有コストと稼働率の問題を避けられます。

建設業は、工期の波が大きく、現場ごとに必要な重機が異なるため、レンタルへの依存度が高い業種です。このため、建設投資の動向がレンタル市場全体の規模を大きく左右します。レンタル各社は、機種の品揃え、全国の拠点網、現場への配送・整備の体制で競っています。

レンタルとリースは何が違うのか?

レンタルとリースは、どちらも物品を借りて使う取引ですが、性質が異なります。リースは、利用者が指定した特定の物件をリース会社が購入し、中長期で賃貸する金融に近い取引で、中途解約が原則できません。レンタルは、レンタル会社が汎用的な物品を在庫として保有し、不特定多数に短期で貸し出す取引で、必要なときに借り、不要になれば返せます。

この性質の違いは、扱う物件にも表れます。リースは情報通信機器や産業機械など利用者ごとに選ぶ設備が中心で、レンタルは建設機械のように複数の現場で使い回せる汎用的な物品が中心です。

統計上も、レンタル売上高(売上高ベース)とリース取扱高(新規契約額ベース)は別々に集計され、単純に足し合わせることはできません。両者を一つの基準で見た規模は、5年ごとの経済センサス(全数調査)の数字が参考になります。

レンタカー・カーシェアはこの市場に含まれるのか?

本ページのレンタル売上高(1兆9,066億円)は、自動車賃貸業を除いた数字です。したがって、レンタカーやカーシェアは、この建設機械中心のレンタル市場の数字には含まれていません。

レンタカー・カーシェアは、自動車を短期で貸し出す事業で、タイムズを展開するパーク24などが主なプレイヤーです。駅前や商業施設の拠点で短時間から車を借りられるカーシェアは、都市部を中心に会員数を伸ばしてきました。これらは「自動車賃貸業」として、建設機械などのレンタルとは別の区分で捉えられます。

自動車の貸借には、このほかに月額定額で中長期に乗るカーリース(オートリース)もあります。短期で借りるレンタカー・カーシェアと、中長期で借りるカーリースは、利用期間と契約の性質が異なります。

中期見通し

近未来1-2年

建設投資の動向がレンタル市場を左右する基調が続きます。都市再開発やインフラの維持更新、物流施設の建設などが建機レンタルの需要を支えます。建設業の人手不足を背景に、省人化機械や安全関連機材のレンタル需要も高まる見通しです。

中期3-5年

建機レンタルでは、機械の稼働状況を遠隔で管理するICT施工や、GPS・センサーを活用した運用が広がります。レンタル各社は、機械の提供にとどまらず、施工の効率化を支援するサービスへと事業を広げています。レンタカー・カーシェアは、都市部での利用ベースの移動手段として引き続き拡大が見込まれます。

長期

長期では、物を保有せず必要なときに借りる利用ベースの調達が、建設機械以外の分野にも広がる可能性があります。レンタルは、設備の稼働率を高め、資源を効率的に使う仕組みとして位置づけられます。なお本ページの基となる調査は2024年12月で終了したため、今後の市場規模の把握は別の統計や各社開示で補うことになります。

よくある質問

レンタル市場の規模はどのくらいですか?
経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、レンタル売上高は2023年度に1兆9,066億円(自動車賃貸業を除く)でした。新型コロナ前の2019年度に1兆9,405億円まで伸び、2020年度に落ち込んだ後に回復しています。なおこの統計はレンタカー・カーシェア(自動車賃貸業)を含みません。
レンタルで最も多い物件は何ですか?
土木・建設機械で、2023年度は1兆2,416億円(構成比65.1%)と6割超を占めます。油圧ショベルやクレーン、高所作業車などを工期に合わせて借りる建設現場の需要が中心です。次いで情報関連機器、事務用機器などが続きます。
なぜ建設機械はレンタルが多いのですか?
建設機械は高額で、工事ごとに必要な機種や使う期間が変わるためです。すべてを自社保有すると、使わない期間の維持費や保管の負担が生じ稼働率が下がります。必要なときに必要な機種を借りるレンタルなら、保有コストを抑えつつ多様な重機を使えます。建設業は工期の波が大きく、レンタルへの依存度が高い業種です。
レンタカーやカーシェアはこの市場に含まれますか?
含まれません。本ページのレンタル売上高(1兆9,066億円)は自動車賃貸業を除いた数字で、建設機械などのレンタルが中心です。レンタカー・カーシェア(タイムズのパーク24など)は「自動車賃貸業」として別の区分で捉えられます。中長期で車に乗るカーリース(オートリース)も、短期のレンタカー・カーシェアとは性質が異なります。
グラフの2010年から2011年で大きく増えているのはなぜですか?
2010年度から2011年度にかけての約+28.7%(11,636億円から14,973億円)の増加は、調査の対象や手法の変更によるもので、実際の市場がこの年に急成長したわけではありません。このため2010年度以前と2011年度以降は接続して比較できず、グラフでも段差として表れます。なお本調査は2024年12月で終了し、2023年度が最終の完全な年度です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(レンタル物件別売上高、自動車賃貸業を除く)
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