インフラの「一斉老朽化」はなぜ起きるのか?
日本の社会インフラの多くは、高度経済成長期(1960-70年代)に集中して整備されました。道路・橋・トンネル・上下水道・港湾などが、この時期に一気に造られたため、耐用年数の目安とされる建設後50年を一斉に迎えます。道路橋は2025年に約42%が建設後50年以上で、2040年には約75%へと、わずか15年で施設の4分の3が高齢化します。
この「一斉老朽化」が土木・インフラ工事の需要を質的に変えています。新たに造る新設中心の時代から、既存のインフラを点検し、傷んだ部分を補修・更新する維持管理中心の時代へと移りつつあります。維持管理は新設に比べて1件あたりの規模が小さく、多数の現場に分散するため、効率化が課題です。
もっとも、建設後50年という年齢はあくまで目安です。適切に管理されていれば50年を超えても健全な施設は多く、逆に厳しい環境にあれば早く傷みます。実際の優先順位づけには、年齢だけでなく点検でわかる現況の損傷を組み合わせる必要があります。