なぜ公共土木の発注は「国」より「地方」が多いのか?
公共工事の請負額を発注者別にみると、2024年度は市区町村が36.3%・都道府県が28.5%と、地方自治体だけで64.8%を占め、国は16%にとどまります。土木・インフラ工事というと国の大型プロジェクトを思い浮かべがちですが、実際の発注は多数の地方自治体に広く分散しています。
理由は、私たちの生活に身近なインフラの多くを地方自治体が管理しているからです。生活道路や市町村道、上下水道、中小河川、都市公園、学校・庁舎などの公共施設は、市区町村や都道府県が整備・維持の責任を負います。国が直轄で担うのは、幹線道路や一級河川、重要港湾など、広域性・重要性の高い大規模なインフラに集中しています。
この構造は、地域の建設業者にとって地方自治体が主要な取引先であることを意味します。同時に、多数の自治体に発注が分散するため、1件あたりの工事規模は小さくなりがちで、土木技術職員が不足する自治体では発注・監督の体制づくりが課題になっています。