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土木の主要企業|ゼネコン・マリコン・道路の土木事業を比較【2026年版】

土木の元請は、大型土木の総合ゼネコン、海洋土木のマリコン、道路舗装の3類型に分かれます。総合ゼネコンは連結売上に建築が含まれるため、土木の実力は親会社単体の土木受注高で、マリコンと道路舗装は実質単一事業の連結売上で比較します。3類型それぞれの規模と役割、資本関係を整理します。

土木の主要企業3類型(2025年3月期)

総合ゼネコンは土木・親会社単体受注高、マリコン・道路舗装は連結売上。基準が異なるため類型ごとに整理(規模の単一ランキングではない)。参考欄の連結売上・セグメント値は基準が異なり単体受注と並べて比較しない(〔非比較〕)

元請は総合ゼネコン・マリコン・道路舗装の3類型に分かれます。総合ゼネコンは連結売上に建築が含まれるため、土木の実力は親会社単体の土木受注高で比べます。連結売上は建築を含み土木受注の数倍で、鹿島建設は連結2.91兆円に対し土木受注4,388億円と約6.6倍の開きがあります。マリコンと道路舗装は実質的に単一事業のため、連結売上がほぼ海洋土木・道路舗装の規模を表します。この表は類型ごとに整理したもので、単体受注と連結売上・単体と連結は基準が異なるため、規模の単一ランキングではありません。

総合ゼネコン
区分・基準
土木・親会社単体受注高
規模(2025年3月期・類型別基準)
参考・補足
区分・基準
土木・単体受注
規模(2025年3月期・類型別基準)
4,388億円
参考・補足
連結2.91兆/土木seg4,041億〔非比較〕
区分・基準
土木・単体受注
規模(2025年3月期・類型別基準)
5,038億円
参考・補足
連結2.62兆/国内土木seg4,023億〔非比較〕
区分・基準
土木・単体受注
規模(2025年3月期・類型別基準)
4,651億円
参考・補足
連結2.15兆/土木seg6,306億〔集約・非比較〕
区分・基準
土木・単体受注
規模(2025年3月期・類型別基準)
2,287億円
参考・補足
連結1.94兆(土木seg非開示)
マリコン(海洋土木)
区分・基準
連結売上(実質海洋土木)
規模(2025年3月期・類型別基準)
参考・補足
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
7,275億円
参考・補足
連結受注6,673億・海洋土木最大手・SEP船保有
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
3,305億円
参考・補足
単体受注3,537億(過去最高)
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
1,726億円
参考・補足
海洋土木受注591億・大成建設グループ
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
865億円
参考・補足
単体受注1,040億・SEP船6社共同保有
道路舗装
区分・基準
連結売上(実質道路舗装)
規模(2025年3月期・類型別基準)
参考・補足
NIPPO
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
4,615億円
参考・補足
非上場・首位(ENEOS連結子会社)
前田道路
区分・基準
規模(2025年3月期・類型別基準)
参考・補足
非上場・2位(INFRONEER傘下、舗装seg2,631億)
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
1,643億円
参考・補足
清水建設グループ・完工1,335億
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
1,266億円
参考・補足
営業は減益
区分・基準
連結売上
規模(2025年3月期・類型別基準)
994億円
参考・補足
東急グループ

総合ゼネコン ── 大型土木の担い手

鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設は、ダム・トンネル・シールド・橋梁など高難度の大型土木を担う総合ゼネコンです。連結売上は建築を含み2兆円規模ですが、土木の実力は親会社単体の土木受注高で比べます。2025年3月期は大林組が5,038億円、大成建設が4,651億円、鹿島建設が4,388億円、清水建設が2,287億円でした。

連結売上(鹿島建設2.91兆円など)は建築を含むため土木受注の数倍にのぼり、規模を混同しないよう注意が必要です。大成建設は海洋土木の東洋建設を連結し、各社は海外土木やインフラの更新・維持、洋上風力関連の大型工事にも展開しています。公共の大型土木は価格と技術提案を総合的に評価する方式での受注が中心で、施工力と実績が競争力を左右します。

マリコン ── 港湾・海洋土木の専業

五洋建設・東亜建設工業・東洋建設・若築建設は、港湾・浚渫・地盤改良など海のインフラを担う海洋土木の専業会社(マリコン)です。連結が実質単一事業のため、連結売上がほぼ海洋土木の規模を表します。2025年3月期は五洋建設が7,275億円と初めて7,000億円を超えて首位、東亜建設工業3,305億円、東洋建設1,726億円、若築建設865億円と続きます。

マリコンは洋上風力の基礎工事・据付でも中心的な担い手で、五洋建設や若築建設などが自己昇降式作業船(SEP船=脚を海底に下ろして船体を海面上に持ち上げ、安定して作業する専用船)を保有・共同保有し、成長領域として位置づけています。東洋建設は大成建設グループで、海洋土木事業の受注591億円を個別に開示しています。国土強靱化に伴う港湾整備と洋上風力の拡大が、マリコンの需要を下支えしています。

道路舗装 ── 合材から舗装まで一貫

道路舗装は、アスファルト合材(舗装に使う砕石とアスファルトを混ぜた材料)の製造から舗装施工までを一貫して手がける事業です。NIPPOが国内首位(連結売上4,615億円)、前田道路が2位で、いずれも非上場です。上場では日本道路が1,643億円、東亜道路工業1,266億円、世紀東急工業994億円と続きます。

この分野では、NIPPOがENEOSの連結子会社、前田道路がINFRONEERの傘下となり、大手2社が上場を退いて再編が進みました。前田道路は非上場のため単体売上は非開示で、INFRONEERの舗装事業セグメント(2,631億円)が規模の目安です。日本道路は清水建設グループ、世紀東急工業は東急グループに属し、合材プラント網と維持・修繕の安定需要が競争基盤となっています。

主要論点

なぜ連結売上でなく土木の受注高で実力を見るのか?

総合ゼネコンの連結売上は、土木だけでなく建築や開発を含みます。そのため連結売上の順位は会社全体の規模を示すもので、土木事業の大きさを直接表しません。建築を含む連結売上は土木の受注高の数倍にのぼるため、連結の順位を土木の実力と取り違えないことが重要です。

土木の実力を横並びで比べるには、各社が共通して開示する親会社単体の土木受注高が適しています。土木セグメントの売上は会社ごとに区分の考え方が異なり(清水建設は土木を独立したセグメントにしていません)、そのままでは比較できないためです。

マリコンと道路舗装は実質的に単一事業のため、連結売上がほぼ事業規模を表します。ただし総合ゼネコンの土木受注とは基準が異なるので、規模を横断して単純にランキングすることはできません。

3類型(ゼネコン・マリコン・道路舗装)の役割はどう違うのか?

総合ゼネコンは、ダム・トンネル・橋梁・シールドといった高難度で大規模な土木を担い、海外土木や大型インフラの更新でも中心的な役割を果たします。豊富な技術力と施工実績を背景に、公共の大型工事を総合評価方式で受注します。

マリコンは、港湾・浚渫・地盤改良など海のインフラに特化した専業会社です。専用の作業船や地盤改良の技術を持ち、近年は洋上風力の基礎工事・据付という成長領域で存在感を高めています。道路舗装は、合材の製造から舗装までを一貫して手がけ、全国の合材プラント網と維持・修繕の安定需要が基盤です。

3類型に共通するのは、発注の多くを公共が占める点です。国土強靱化や防災・減災、インフラの老朽化対策が、それぞれの需要を下支えしています。

洋上風力はマリコンにどんな成長機会をもたらすか?

洋上風力発電は、風車を海に据え付ける大規模な工事を伴い、その基礎の施工や風車の据付は海洋土木の技術を持つマリコンの領域です。五洋建設や若築建設などは、海上で安定して作業するための自己昇降式作業船(SEP船)を保有・共同保有し、この分野に投資してきました。

国は洋上風力の導入を段階的に進めており、拠点となる基地港湾の整備も進んでいます。着床式(風車の基礎を海底に固定する方式)の基礎工事や風車据付の需要は、公共土木が中心のマリコンにとって、民間発の数少ない構造的な成長領域です。

一方で、発電事業そのものや風車メーカーの競争は別の領域にあり、マリコンが担うのはあくまで土木・据付の工事です。大型案件は工期や採算の変動も大きく、施工体制と作業船の確保が受注の鍵となります。

中期見通し

近未来1-2年

国土強靱化や防災・減災の予算が、公共土木の受注を下支えします。総合ゼネコンの大型土木、マリコンの港湾整備、道路舗装の維持・修繕が、それぞれ安定した需要を見込めます。

中期3-5年

担い手不足が深刻化するなか、ICT施工や週休2日への対応で、施工力と生産性が競争力を左右します。作業船や合材プラントなどの設備を持つ専業の強みと、総合ゼネコンの技術力の双方が問われます。

長期5-10年

建設から半世紀を迎えるインフラの更新・維持と、洋上風力が構造的な成長領域です。とくにマリコンにとって洋上風力の基礎・据付は、公共依存の事業構成に新たな柱を加える機会となります。

よくある質問

土木に強い建設会社はどこですか?
総合ゼネコンでは鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設が大型土木に強く、2025年3月期の土木単体受注は大林組5,038億円・大成建設4,651億円・鹿島建設4,388億円が上位です。海洋土木では五洋建設(連結売上7,275億円)が首位、道路舗装ではNIPPO(非上場)が首位です。
なぜ土木の比較に連結売上を使わないのですか?
総合ゼネコンの連結売上は建築や開発を含むため、土木事業の規模を直接表しません。鹿島建設は連結2.91兆円に対し土木受注は4,388億円です。土木を横並びで比べるには、各社が共通して開示する親会社単体の土木受注高が適しています。
マリコンとは何ですか?
マリコンは、港湾・浚渫・地盤改良など海のインフラを専門に手がける海洋土木の会社です。五洋建設・東亜建設工業・東洋建設・若築建設などが代表的で、連結が実質単一事業のため連結売上がほぼ海洋土木の規模を表します。近年は洋上風力の基礎工事・据付でも中心的な役割を担っています。
NIPPOや前田道路はなぜ上場していないのですか?
道路舗装で首位のNIPPOはENEOSの連結子会社となり2022年に、2位の前田道路はINFRONEER(前田建設工業などが統合した持株会社)の傘下となり2021年に、それぞれ上場を取りやめました。買収を通じた業界再編の結果で、道路舗装大手の上場企業は日本道路・東亜道路工業・世紀東急工業などになっています。
洋上風力は土木の会社にどう関係しますか?
洋上風力発電は風車を海に据え付ける大規模な工事を伴い、その基礎の施工や据付は海洋土木の技術を持つマリコンの領域です。五洋建設や若築建設などが自己昇降式作業船(SEP船)を保有・共同保有し、この成長領域に取り組んでいます。発電事業や風車メーカーの競争は別の領域で、土木会社が担うのは工事の部分です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社2025年3月期決算短信・決算参考資料・決算説明資料(連結)
  2. 2.
    NIPPO官報決算公告 / INFRONEER Holdings有価証券報告書(セグメント情報)
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