最終更新
STAT DETAIL · MARKET SIZE

建設コンサル業界の市場規模|部門売上と受注の推移【2026年版】

建設コンサルタント(道路や橋、上下水道などの社会資本の調査・計画・設計を担う)業界の市場規模は、建設コンサルタンツ協会の会員(501社)の建設コンサルタント部門売上高でみて約11,309億円です(2023年度、会員ベース)。この会員ベースの売上は2014年度の6,677億円から増えていますが、会員数の増加(426社から501社へ)や集計対象の変動を含みます。受注の動向は、建設コンサルタント上位50社の受注高(2025年度で約7,367億円)でも把握でき、国土強靱化やインフラ老朽化対策を背景に底堅く推移しています。市場規模はこれら複数の見方があり、それぞれ集計の対象や指標が異なります。

部門売上高(会員501社)
11,309億円
建設コンサルタント部門の会員ベース集計(2023年度)
出典: 建設コンサルタンツ協会 協会データ
上位50社の受注高
7,367億円
建設コンサルタント上位50社の受注高(2025年度)
出典: 国土交通省 建設関連業等の動態調査
登録業者数
3,930
建設コンサルタント登録の全業者(2025年3月末)
出典: 国土交通省 建設関連業の登録状況
協会会員数
501
建設コンサルタンツ協会の会員企業数(2023年度)
出典: 建設コンサルタンツ協会 協会データ

建設コンサルタント部門売上高の推移(2014-2023年度、億円)

協会会員の建設コンサルタント部門売上の集計、2023年度は11,309億円(会員ベース)
単位: 億円
03,7507,50011,25015,0006,677146,929158,557168,690178,686189,283199,7482010,2452110,7272211,30923
出典: 建設コンサルタンツ協会 協会データ(会員企業の建設コンサルタント部門売上高、会員ベース)
年度2014201520162017201820192020202120222023
部門売上高億円6,6776,9298,5578,6908,6869,2839,74810,24510,72711,309
前年比+3.8%+23.5%+1.6%+0.0%+6.9%+5.0%+5.1%+4.7%+5.4%
読み解き

建設コンサルタンツ協会の会員企業の建設コンサルタント部門売上高は、2014年度の6,677億円から2023年度の11,309億円へと増えています。国土強靱化やインフラの老朽化対策を背景に、公共の調査・設計の需要が底堅く推移していることが背景にあります。

ただし、この数値は協会会員の集計であり、会員数の増加を含みます。会員企業数は同じ期間に426社から501社へ増えており、特に2015年度から2016年度にかけては集計対象の変動もあって売上が大きく増えています。したがって、この伸びをそのまま需要の急成長と読むことはできません。

この売上高は、建設コンサルタント(1業種)の会員ベースの規模です。測量業・地質調査業を含む建設関連業3業種全体の市場ではない点に注意が必要です。受注の足元の動向は、次の上位50社の受注高で確認できます。

このグラフに関連するトピック

建設コンサルタント上位50社の受注高の推移(2020-2025年度、億円)

動態調査による上位50社の受注高、2025年度は約7,367億円(業界全体ではない)
単位: 億円
02,0004,0006,0008,0006,360206,329216,290226,860237,040247,36725
出典: 国土交通省 建設関連業等の動態調査(建設コンサルタント上位50社)
年度202020212022202320242025
受注高(上位50社)億円6,3606,3296,2906,8607,0407,367
前年比-0.5%-0.6%+9.1%+2.6%+4.6%
読み解き

国土交通省の建設関連業等の動態調査は、年間売上高で上位50社に入る建設コンサルタント企業の受注高(契約金額)を月次で調査しています。上位50社の受注高は2020年度の約6,360億円から2025年度の約7,367億円へと、近年は増加傾向にあります。

この数値は上位50社を対象としたもので、業界全体の受注高ではありません。それでも、規模のある事業者の受注の足元の動きを示す指標として有用で、老朽化対策や防災・減災を背景とした公共の調査・設計需要が受注を下支えしている様子がうかがえます。

この上位50社の受注高と、前の会員の部門売上高(会員501社)は、集計の対象も指標も異なります。受注高は仕事を契約した時点の金額、売上高は業務が完了して計上される金額で、数え方そのものが違うため、単純に比べることはできません。

このグラフに関連するトピック

市場規模の3つの見方(集計対象・指標が異なる)

①会員の部門売上高
数値
約11,309億円
集計対象
協会会員501社
指標の性質
売上高(会員ベース)
出典
建設コンサルタンツ協会(2023年度)
②上位50社の受注高
数値
約7,367億円
集計対象
建コン上位50社
指標の性質
受注高(契約金額)
出典
国土交通省 動態調査(2025年度)
③登録業者数
数値
3,930社
集計対象
建コン登録の全業者
指標の性質
業者数(社数)
出典
国土交通省 登録状況(2025年3月末)
読み解き

建設コンサルタントの市場規模を示す数字には、主に3つの見方があります。①会員の部門売上高(約11,309億円)は協会会員501社の売上の集計で、規模のある大手を中心とした会員ベースの数字です。②上位50社の受注高(約7,367億円)は動態調査による上位50社の受注(契約)で、足元の受注動向を示します。③登録業者数(3,930社)は登録している全業者の数で、業界の裾野を示す社数です。

これら3つは、集計の対象(会員501社/上位50社/全業者)も、指標(売上/受注/社数)も異なります。たとえば②の上位50社の受注高を①の会員全体の売上高で割っても、母数も指標も違うため意味のある比率にはなりません。それぞれの数字は目的に応じて使い分けるもので、足し合わせて一つの市場規模とすることはできません。

主要論点

建設コンサルタントの市場規模は、どの数字で見ればよいか?

建設コンサルタントの市場規模には単一の「業界全体の金額」がなく、複数の見方を使い分ける必要があります。もっとも規模を表しやすいのは、建設コンサルタンツ協会の会員(501社)の建設コンサルタント部門売上高で約11,309億円(2023年度、会員ベース)という数字です。ただしこれは会員企業の集計で、業界の全事業者を含むわけではありません。

受注の足元の動きを見るなら、動態調査による上位50社の受注高(2025年度で約7,367億円)が使えます。業界の裾野を見るなら、登録業者数の3,930社(2025年3月末)が指標になります。

重要なのは、これらの数字を混同したり足し合わせたりしないことです。集計の対象も指標も異なるため、目的に応じて使い分けるのが適切です。会員ベースの売上、上位50社の受注、登録業者の社数は、それぞれ別の角度から建設コンサルタントの規模を示しています。

なぜ受注は底堅く推移しているのか?

建設コンサルタント上位50社の受注高は、2020年度の約6,360億円から2025年度の約7,367億円へと、近年は増加傾向にあります。背景には、国土強靱化とインフラの老朽化対策があります。

道路・河川・橋梁・上下水道などの社会資本は、高度成長期以降に整備されたものが多く、更新や長寿命化の時期を迎えています。老朽化した施設の点検・診断・補修の設計や、防災・減災のための計画・設計は、いずれも建設コンサルタントが担う調査・設計の需要です。国土強靱化の取り組みが、こうした公共の需要を下支えしています。

発注の中心は国や自治体などの公共で、受注は公共投資の方針の影響を受けます。そのため、受注の動向は、各年度の公共事業の予算や発注の計画に左右されます。

会員部門売上の10年間の増加は、市場の成長を意味するのか?

建設コンサルタンツ協会の会員の建設コンサルタント部門売上高は、2014年度の6,677億円から2023年度の11,309億円へと増えています。金額だけを見ると大きく伸びていますが、これを需要そのものの急成長と読むことはできません。

理由は、この数値が協会会員の集計であり、会員数の増加を含むためです。会員企業数は同じ期間に426社から501社へ増えており、特に2015年度から2016年度にかけては集計対象の変動もあって売上が不連続に増えています。会員が増えれば、集計される売上の総額も増えます。

実際の需要の動きは、会員数の影響を受けにくい上位50社の受注高や、公共投資の方針などとあわせて見る必要があります。会員ベースの売上の増加は、業界の裾野や協会の広がりを含んだ数字として理解するのが適切です。

中期見通し

近未来1-2年

インフラの老朽化対策や防災・減災を背景に、公共の調査・設計の受注は底堅く推移する見通しです。国土強靱化の取り組みが続く中で、点検・診断や長寿命化の設計の需要が受注を支えます。受注は公共投資の方針に左右されるため、予算編成の動向が影響します。

中期3-5年

橋梁・トンネル・上下水道などの更新の時期が本格化し、維持管理・更新に関わる需要が中期的に見込まれます。一方で、担い手である技術者の高齢化や確保の難しさが、受注をこなすうえでの制約となります。BIM/CIMや点群測量など、設計・調査の生産性を高めるDXが課題です。

長期5-10年

人口減少や財政の制約の中で、社会資本をどう維持していくかが長期の論点です。予防保全への転換や、複数の施設をまとめて管理する包括的な発注など、発注の仕組みの変化が建設コンサルタントの役割にも影響します。会員部門売上や上位50社の受注といった規模の指標も、こうした構造の変化を反映していきます。

よくある質問

建設コンサルタント業界の市場規模はどのくらいですか?
建設コンサルタント部門の売上高は、建設コンサルタンツ協会の会員(2023年度で501社)の集計で約11,309億円です(2023年度、会員ベース)。これは会員企業の建設コンサルタント部門売上の合計で、建設関連業3業種全体の市場ではなく、建設コンサルタント(1業種)の会員ベースの規模を表します。受注の動向は、上位50社の受注高(2025年度で約7,367億円)でも把握できます。
「会員ベース」とはどういう意味ですか?
「会員ベース」とは、建設コンサルタンツ協会の会員企業(2023年度で501社)の売上を集計した数字という意味です。建設コンサルタントの登録業者は全国に3,930社ありますが、協会の売上高集計はそのうちの会員企業を対象としています。会員には規模のある大手が多く含まれるため、業界の主要な部分をカバーしますが、全事業者の合計ではありません。
なぜ市場規模の数字が複数あるのですか?
建設コンサルタントには単一の「業界全体の金額」がなく、目的に応じて複数の見方を使い分けるためです。①協会会員の部門売上高(約11,309億円)は規模、②上位50社の受注高(約7,367億円)は足元の受注動向、③登録業者数(3,930社)は業界の裾野を示します。集計の対象も指標も異なるため、これらは足し合わせず、目的に応じて使い分けます。
「上位50社の受注高」とは何ですか?
国土交通省の建設関連業等の動態調査が、建設コンサルタント業の年間売上高が上位50社の受注高(契約金額)を月次で調査したものです。2025年度は約7,367億円でした。上位50社を対象としたもので業界全体の受注高ではありませんが、規模のある事業者の受注の足元の動きを示す指標として使われます。
建設コンサルタント業界の今後の市場はどうなりますか?
インフラの老朽化が進み、橋梁・トンネル・上下水道などの点検・診断・長寿命化や、防災・減災の需要が長期的に見込まれるため、調査・設計の受注は底堅く推移する見通しです。一方で、受注は公共投資の方針に左右され、担い手である技術者の確保が制約となります。設計・調査のDXによる生産性向上が課題です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 建設コンサルタンツ協会 協会データ
  2. 2.
    国土交通省 建設関連業等の動態調査
  3. 3.
    国土交通省 建設関連業の登録状況
📄 資料DL💬 無料相談