重層下請とは — 建築工事のなかの電気設備
電気工事の多くは、単独の工事としてではなく、建築工事の一部として発注されます。ビル・工場・商業施設などをつくる際、発注者はまず総合建設業(ゼネコン)に建築工事全体を発注し、ゼネコンが元請として工事を取りまとめます。その建物に必要な電気設備(受変電・配線・照明・動力など)の部分を、ゼネコンが電気工事の専門工事業者に下請として発注する、というのが基本的な流れです。
このように、発注者から元請、下請、さらにその下の下請へと工事が段階的に発注されていく仕組みを重層下請と呼びます。電気設備は専門性が高く、建物のあらゆる部分に関わるため、ゼネコンが自社で施工するのではなく、電気工事を専門とする業者に任せる分業が定着しています。2024年度に電気工事業の完成工事高の51.3%が下請だったのは、この分業構造を反映したものです。