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化粧品の主要メーカー|専業と複合企業の化粧品事業を横並び比較【2026年版】

化粧品の主要メーカーを、専業大手と複合企業の化粧品事業に分けて横並びで整理します。国内最大手は資生堂で、コーセーホールディングス、ポーラ・オルビスホールディングスなどの専業に、花王やロートのような複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが加わって競っています。専業の連結売上は海外を含むグローバルの数字で、複合企業は全社ではなく化粧品事業でみる必要があります。各社の規模・区分・収益性の違いを整理します。

主要メーカーの化粧品事業規模と区分

専業は連結売上、複合企業は化粧品事業のセグメント(FY2025)。事業範囲が異なるため区分を明示

数値は、専業大手は各社の有価証券報告書の連結売上(FY2025)、複合企業は各社IRが開示する化粧品事業のセグメント売上です。専業の連結はほぼ化粧品事業にあたりますが海外を含むグローバルの数字で、複合企業は全社連結とは別に化粧品事業を取り出しています。資生堂が9,700億円で最大手、コーセーHD・花王の化粧品事業・ロートのスキンケアが続きます。なお小林製薬は化粧品の独立したセグメントを開示していないため、本比較には含めていません。ロートのスキンケアは製品別の正確な内訳が公表されていないため、IRや報道に基づくおおよその規模を示しています。なお決算期は各社で異なり、資生堂・コーセー・花王・ポーラオルビスは12月期、マンダム・ロートは3月期、ノエビアは9月期です。

区分
専業(連結)
化粧品(関連)売上
9,700
主要ブランド・備考
プレステージ世界展開、連結の大半は海外。FY2025は純損失▲520億(過去最大、米州減損)
区分
専業(連結)
化粧品(関連)売上
3,302
主要ブランド・備考
コスメデコルテ・雪肌精、プレステージとマス
区分
複合(化粧品事業)
化粧品(関連)売上
2,616
主要ブランド・備考
カネボウ・キュレル・SOFINA、2025年に黒字化
区分
複合(スキンケア)
化粧品(関連)売上
約1,904※
主要ブランド・備考
肌ラボ・メラノCC・オバジ、連結の約6割(※IR・報道、製品別内訳は非開示)
区分
専業(連結)
化粧品(関連)売上
1,703
主要ブランド・備考
POLA・ORBIS、訪販とEC
区分
専業(連結)
化粧品(関連)売上
762
主要ブランド・備考
ギャツビーなど男性グルーミング、海外はインドネシア
区分
専業(連結)
化粧品(関連)売上
647
主要ブランド・備考
ノエビア・SANA、訪販
区分
キリンHD傘下
化粧品(関連)売上
615
主要ブランド・備考
無添加化粧品、2024年に上場廃止(旧専業、キリンHD傘下)

専業大手 — 資生堂・コーセー・ポーラオルビス・マンダム・ノエビア

資生堂は、スキンケアやメイクで世界展開する国内最大手です。連結売上は9,700億円で、SHISEIDO・クレ・ド・ポー ボーテ・NARSなどのプレステージブランドを軸に、連結の大半を海外が占めます。会計基準はIFRSを採用しています。一方で、2025年12月期は純損失▲520億円を計上しました(資生堂の決算開示・報道によると、同社として過去最大の赤字)。米国で買収したスキンケアブランド「Drunk Elephant」の不振を受けた米州事業ののれん減損(約468億円)が主因で、人員削減を含む構造改革を進めています。グローバル展開の大きさが強みである一方、海外事業の収益性が業績を大きく左右する構図です。

コーセーホールディングスは、コスメデコルテ・雪肌精・ADDICTIONなどを擁する専業大手で、連結売上は3,302億円です。プレステージからマスまで幅広いブランドを持ち、中国やアジア、米国での展開を進めています。ポーラ・オルビスホールディングス(連結1,703億円)は、高価格帯のPOLAとオンライン中心のORBISを二枚看板に、訪問販売とECを軸とするマルチブランド経営が特徴です。

マンダム(連結762億円)は、ギャツビーやルシードなどの男性グルーミングに強みを持ち、海外はインドネシアを中心に展開しています。ノエビアホールディングス(連結647億円)は、ノエビアやSANAを軸とする訪問販売系のマルチブランド企業で、ROEは15.0%と専業のなかで高い収益性を保っています。専業大手は、連結がほぼ化粧品事業にあたるぶん、ブランド力とチャネル、海外展開の巧拙がそのまま業績に表れます。

複合企業の化粧品事業 — 花王・ロート・ファンケル

化粧品以外の事業を持つ複合企業は、全社連結ではなく化粧品事業のセグメントでみる必要があります。花王は、全社連結1兆6,886億円のうち化粧品事業が2,616億円(営業利益104億円)で、カネボウ・キュレル・SOFINA・KATEなどを展開します。注力ブランドへの集約を進め、2025年12月期に化粧品事業を黒字化させました。全社にはトイレタリー(日用品)や化学事業を含むため、全社連結の規模をそのまま化粧品と捉えないことが重要です。

ロート製薬は、目薬などの医薬品で知られますが、肌ラボ・メラノCC・オバジなどのスキンケアが成長の柱です。連結売上3,086億円は2025年3月期に過去最高を更新し、スキンケア関連が連結の約6割(おおよそ1,904億円規模)を占めるとされます(製品別の正確な内訳は非開示)。ドラッグストアのセルフ化粧品で高いシェアを持ち、東南アジアでの「肌ラボ」も伸びています。

ファンケルは、無添加化粧品とサプリメントを展開する企業でしたが、2024年にキリンホールディングスの完全子会社となり上場廃止となりました。化粧品事業はキリンHDのヘルスサイエンス事業のなかで開示され、化粧品の売上は約615億円です。このほか小林製薬は化粧品関連製品を持つものの、化粧品の独立したセグメントを開示していないため、本ページの規模比較には含めず、関連業態として扱います。

外資系ブランド — ロレアル・エスティローダー・P&Gほか

日本市場には、世界的な化粧品大手の外資系ブランドも多数参入しています。ロレアル(ランコム・イヴ・サンローランほか)やエスティ ローダー(M·A·C・クリニークほか)は、百貨店のプレステージからドラッグストアのマスまで幅広く展開します。P&GのSK-IIやLVMH傘下のブランドも、スキンケア・フレグランスで存在感があります。

これらの外資系は、日本法人が非上場であったり、グローバル連結のなかで日本売上が分けて開示されないことが多く、日本市場での売上規模を正確に把握しにくいのが実情です。そのため本ページでは数値での横並び比較には含めず、主要なプレイヤーとして紹介しています。プレステージ領域では国内専業と外資系が、マス領域では複合企業や外資系が競い合う構図です。

主要論点

なぜ「専業の連結」と「複合企業の化粧品事業」を分けて比較するのか?

化粧品メーカーの規模を比べるとき、そのまま全社連結を並べると実態を見誤ります。専業大手(資生堂・コーセーなど)は連結売上がほぼ化粧品事業にあたりますが、花王やロートのような複合企業は、全社連結に化学・トイレタリーや医薬を含みます。

たとえば花王の全社連結は1兆6,886億円ですが、このうち化粧品事業は2,616億円です。全社連結で比べると花王が資生堂に迫る規模に見えますが、化粧品事業に限れば資生堂(9,700億円)が大きく上回ります。

このため本ページでは、専業は連結、複合企業は化粧品事業のセグメントを用い、化粧品の事業規模で同じ土俵に並べています。複合企業の全社の数字を化粧品の規模と取り違えないことが、各社を正しく比較する出発点になります。

国内最大手の資生堂はなぜ赤字なのか?

資生堂は連結売上9,700億円と国内最大手ですが、2025年12月期は純損失▲520億円を計上しました。資生堂の決算開示や報道によれば、これは同社として過去最大の赤字です。背景には、連結の大半を占める海外事業の不振があります。

直接の要因は、米国で買収したスキンケアブランド「Drunk Elephant」の販売不振を受けた米州事業ののれん減損(約468億円)です。資生堂は2019年にこのブランドを約920億円で買収しましたが、想定した成長が実現せず、買収で計上したのれんの価値を引き下げました。中国事業の停滞や為替も収益を圧迫しています。

資生堂の連結はグローバルの数字であり、国内の化粧品市場の動向だけでは業績を説明できません。海外事業の立て直しと採算改善、構造改革による固定費の削減が、今後の収益回復の鍵となります。なお、専業大手のなかでもノエビアHD(ROE15.0%)のように高い収益性を保つ企業もあり、規模と収益性は必ずしも一致しません。

化粧品メーカーの競争はどこで起きているのか?

競争の軸は、ブランド力・チャネル・海外展開の3つです。価格帯では、百貨店中心のプレステージから、ドラッグストア中心のマスまで幅があり、国内専業と外資系がプレステージで、複合企業や外資系がマスで競い合っています。

チャネルでは、百貨店・ドラッグストア・EC・訪問販売で各社の強みが分かれます。ポーラ・オルビスHDやノエビアHDは訪販とECを軸とし、ロートはドラッグストアのセルフ市場で強く、資生堂やコーセーは百貨店とグローバルのプレステージで展開します。

海外展開は、専業大手にとって成長の中心です。資生堂は海外比率が高く、コーセーやロートもアジアでの伸びを成長の柱としています。一方で、海外事業は資生堂の米州減損のように業績を大きく振らす要因にもなります。国内市場が成熟するなか、グローバルでの競争力と、ブランド・チャネルの組み合わせが各社の明暗を分けています。

中期見通し

近未来1-2年

2026年にかけては、海外事業の採算改善とブランドの集約が各社の焦点となります。資生堂は米州・中国の立て直しと構造改革、花王は注力ブランドへの集約による化粧品事業の収益改善を進めます。専業・複合とも、インバウンド需要と国内の高単価化が下支えするなか、海外の収益性が業績を左右します。

中期3-5年

中期では、グローバル展開とブランドポートフォリオの再編が成長を分けます。資生堂やコーセーは海外比率を高めつつ採算を確保できるか、複合企業は化粧品事業の利益率を引き上げられるかが問われます。M&Aで取得したブランドの成長と、のれん減損のリスク管理の巧拙も、各社の中期の業績を左右します。

長期

長期では、国内の人口減少を背景に、各社は海外と高付加価値領域での成長を模索します。プレステージのブランド力、ダーマや機能性スキンケアの開発力、デジタル・ECの活用が競争力を決めます。売上規模だけでなく、海外を含めて安定して利益を出せる収益構造を築けるかが、中長期の優劣を分けると考えられます。

よくある質問

日本の化粧品メーカーで最大手はどこですか?
資生堂です。FY2025の連結売上は約9,700億円で、コーセーホールディングス(約3,302億円)、ポーラ・オルビスホールディングスなどの専業が続きます。複合企業では花王の化粧品事業(約2,616億円)が大きく、いずれも有価証券報告書や各社IRに基づく数値です。
専業メーカーと複合企業の化粧品事業は何が違いますか?
専業(資生堂・コーセー・ポーラオルビス・マンダム・ノエビア)は連結売上がほぼ化粧品事業にあたります。一方、花王やロートのような複合企業は全社連結に化学・トイレタリーや医薬を含むため、化粧品の規模は全社ではなく化粧品事業のセグメントでみる必要があります。本ページは専業=連結、複合=化粧品事業セグメントで横並びにしています。
花王の化粧品の売上はどれくらいですか?
花王の化粧品事業の売上は、2025年12月期で約2,616億円(営業利益104億円)です。全社連結(約1兆6,886億円)にはトイレタリーや化学事業を含むため、化粧品の規模はセグメントでみます。カネボウ・キュレル・SOFINAなどを展開し、2025年に化粧品事業を黒字化しました。
資生堂はなぜ赤字なのですか?
2025年12月期に純損失約▲520億円を計上しました。資生堂の決算開示・報道によれば同社として過去最大の赤字で、米国で買収したスキンケアブランド「Drunk Elephant」の不振を受けた米州事業ののれん減損(約468億円)が主因です。連結の大半を占める海外事業の収益性が業績を左右しており、構造改革と海外の立て直しを進めています。
各社の業績データの出典は何ですか?
専業大手の連結売上・ROEは各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)、複合企業の化粧品事業の売上は各社IRが開示するセグメント値です。資生堂はIFRSを採用しています。これらは事業範囲が異なるため、市場全体の統計(メーカー出荷ベースで約2.6兆円)とは別の指標として扱い、単純に合算はできません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 有価証券報告書(化粧品上場各社、連結通期FY2025)
  2. 2.
    各社IR決算説明資料(化粧品事業セグメント)
  3. 3.
    資生堂 決算(IFRS、2025年12月期)
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