多重下請構造 — 元請け + 2次 / 3次受け + 個別契約
日本のSI業界の人材構造の中核は多重下請構造です。元請けSIerが大型案件を受注し、2次・3次受けの中堅 / 個別契約エンジニアに再委託する形が一般的で、エンジニアの所属と稼働先が分離します。元請けSIerは大手 (日立 / NEC / 富士通 / NRI / TIS等)、中堅SIerは中規模 (CTC / SCSK / NTTデータ等の連結子会社化前後の各社)、2次・3次受けは中小ITサービス会社・個人事業主SE等で構成されます。
多重下請構造の背景には、ユーザー企業の内製余力不足とSI業界の量的需要の柔軟性確保があります。プロジェクト規模に応じた人員調整、特化スキル (Java / .NET / SAP / ERP実装等)の集約、地域分散リスクの最適化等を、複数階層の請負・派遣で実現してきました。一方、エンジニアの所属・稼働先の分離は人材定着性の低下 + 個別契約の不安定性 + キャリアパス分断という負の側面も生んでいます。
直近では、大手SIer (日立・NEC・富士通・NRI・TIS等)の連結雇用増加 + 中堅SIerの上場廃止再編 (CTC・富士ソフト・NTTデータ・SCSK)が進み、多重下請構造の階層変化が起きています。元請けと中堅SIerの統合により、2次・3次受けの位置付けが変動し、エンジニア雇用の安定化が部分的に進む可能性があります。