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音楽関連の上場企業の財務|連結業績と事業構成を比較【2026年版】

音楽に関わる上場企業を連結業績で比較すると、最大はソニーグループで連結売上は約13.0兆円ですが、音楽(ソニーミュージック)は連結のごく一部で、ゲームや金融などが主力です。音楽を主力とする上場はエイベックスなどに限られ、USEN-NEXT HOLDINGSは動画配信、第一興商はカラオケが主力です。数値は全社連結ベースで、音楽事業のみの規模を示すものではありません。各社の業績と事業構成を整理します。

音楽関連の上場企業の連結業績と事業構成 (FY2025)

各社の全社連結ベース。音楽事業のみを取り出した数値ではなく、売上順位は全社規模を示す

数値は各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)に基づきます。連結売上・営業利益(本業で稼いだ利益)・純利益(営業外や特別の損益も反映した最終的な利益)は億円単位、ROEと自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務の安定性が高い)は各社の公表値です。最大手のソニーグループは連結売上約13.0兆円と桁違いですが、これはゲーム・金融などを含む全社の数字で、音楽(ソニーミュージック)は連結の一部です。音楽を主力とするエイベックスの連結売上は1,317億円で、上場のなかでは小規模にとどまります。

ソニーグループ
世界3大グループの親会社 — 音楽は連結の一部
連結売上
129,571億円
営業利益
14,072億円
純利益
11,416億円
ROE
14.5%
自己資本比率
23.2%
USEN-NEXT HOLDINGS
動画配信が主力 — 店舗向けBGMが音楽
連結売上
3,904億円
営業利益
316億円
純利益
184億円
ROE
20.5%
自己資本比率
37.6%
第一興商
業務用カラオケが主力 — 音楽ソフトも
連結売上
1,530億円
営業利益
179億円
純利益
182億円
ROE
16.2%
自己資本比率
55.6%
エイベックス
音楽を主力とする代表的な上場
連結売上
1,317億円
営業利益
-18億円
純利益
11億円
ROE
2.2%
自己資本比率
47.3%
NexTone
著作権等管理が専業
連結売上
194億円
営業利益
10億円
純利益
7億円
ROE
15.7%
自己資本比率
32.1%

ソニーグループ — 世界3大グループの親会社、音楽は連結の一部

ソニーグループは、世界3大グループ(ユニバーサル ミュージック・ワーナーミュージック・ソニーミュージック)の一角であるソニーミュージック(ソニー・ミュージックエンタテインメント)の親会社です。ソニーミュージックは邦楽やアニメ関連に強く、世界規模の原盤(録音そのもの)のカタログと配信網を持つ、日本の音楽業界の中核的なプレイヤーです。

ただし、連結売上約13.0兆円のうち、音楽(Musicセグメント)は一部にすぎません。ゲーム&ネットワークサービス、映画、金融、半導体(イメージセンサー)など多くの事業を抱える複合企業で、ROEは14.5%です。音楽は同社の重要な柱の一つですが、財務の規模としては連結のごく一部であり、ソニーグループの売上規模をそのまま音楽事業の規模と捉えることはできません。

USEN-NEXT HOLDINGS — 動画配信が主力、店舗向けBGMが音楽

USEN-NEXT HOLDINGSは、動画配信サービスU-NEXTを中核に、店舗向けの音楽配信(USEN Music)、通信、エネルギーなどを手がける多角的な企業です。音楽に関わるのは、店舗やオフィスへ業務用の音楽を配信する事業で、U-NEXTの動画配信が会社全体の成長を牽引しています。

連結売上は3,904億円、ROEは20.5%、純利益は184億円です。動画配信の会員の積み上げによる成長を背景に高い収益性を保っていますが、音楽(店舗向けBGM)は事業の一部であり、売上の大半は動画配信や通信などが占めます。音楽業界における立ち位置は、店舗やオフィスでの音楽利用を支えるインフラ的な存在です。

第一興商 — 業務用カラオケが主力、音楽ソフトも

第一興商は、業務用カラオケDAMを中核に、カラオケルームや飲食店の運営、音楽ソフトの制作・販売を手がけています。カラオケは、楽曲が利用される場の一つで、著作権使用料を通じて音楽の権利収益にも関わっています。

連結売上は1,530億円、純利益182億円、自己資本比率は55.6%と財務の安定性が高いのが特徴です。コロナ禍ではカラオケ需要が大きく落ち込みましたが、その後は回復しています。音楽との関わりは、カラオケという利用の場と、自社レーベルでの音楽ソフトの制作・販売を通じたものです。

エイベックス — 音楽を主力とする代表的な上場

エイベックスは、音楽を主力とする代表的な上場企業です。楽曲の原盤の制作とアーティストのマネジメント、ライブ・イベント、アニメ・IPを幅広く手がけ、ストリーミングサービスのAWAにも関わっています。原盤からマネジメント、ライブまでを一貫して持つことが特徴です。

連結売上は1,317億円で、FY2025の営業損益は-18億円の赤字でしたが、営業外の収益や特別利益などが加わり、純利益は11億円の黒字を確保しました。音楽専業に近いため、その年のヒット作品やライブの状況、先行投資の影響を受けて業績が変動しやすい構造です。自己資本比率は47.3%で、財務の安定性は保たれています。

NexTone — 著作権等管理が専業

NexToneは、音楽の著作権等管理を専業とする上場企業で、JASRACの競合にあたります。作詞・作曲家や音楽出版社から著作権の管理を委ねられ、使用料を集めて分配する事業に加え、楽曲のデジタルディストリビューション(配信の仲介)も手がけています。

連結売上は194億円と上場のなかでは小規模ですが、ROEは15.7%です。長くJASRACが中心だった著作権管理の分野で、作家や音楽出版社が管理を委ねる先の選択肢を広げた存在です。著作権管理事業の詳しい仕組みは、著作権とJASRACのページで扱います。

主要論点

なぜ音楽を主力とする上場企業は少ないのか?

音楽を主力とする上場企業は、エイベックスや著作権管理のNexToneなどに限られます。世界3大グループの日本法人(ユニバーサル ミュージック・ワーナーミュージック・ソニーミュージック)は、非上場の会社や、ソニーグループのような複合企業の一部門であり、音楽事業単独で上場しているわけではありません。

背景には、音楽事業の収益が作品やライブの状況で変動しやすいことがあります。ヒット作の有無やアーティストの活動状況で業績が振れやすく、音楽単独で安定した収益を示し続けるのは容易ではありません。そのため、レーベルがマネジメントやライブ、アニメ・IPなどを組み合わせて収益基盤を広げたり、より大きなグループの一部門として運営されたりする例が多くなっています。

結果として、音楽業界の上場企業は、音楽専業の中堅と、音楽を一部に持つ大手という二つの層に分かれ、純粋な音楽専業の大型上場は少ないのが実態です。

売上規模と収益性(ROE)は一致するのか?

売上規模と収益性は必ずしも一致しません。連結売上では、ソニーグループが約13.0兆円と突出していますが、これは全社の数字です。音楽に関わる上場のなかでは、USEN-NEXT HOLDINGSが3,904億円、第一興商が1,530億円、エイベックスが1,317億円と続きます。

ROE(自己資本利益率)で見ると、USEN-NEXTが20.5%、第一興商が16.2%、NexToneが15.7%と高い一方、音楽専業のエイベックスは2.2%と、FY2025は営業赤字の影響で低水準でした。収益性は、事業構成や、その年の作品・ライブの状況、先行投資の局面によって変わります。

売上の大きさだけでなく、ROEや自己資本比率を併せて見ることで、各社の稼ぐ力と財務の安定性を立体的に把握できます。とくに音楽専業は業績が振れやすいため、単年の数字だけでなく複数年の推移で見ることが重要です。

「連結売上」をどう読めばよいか?

このページの数値はいずれも全社連結ベースで、音楽事業のみを取り出した数値ではありません。ソニーグループの売上の大半はゲーム・金融・映画などで、音楽(ソニーミュージック)は連結の一部です。USEN-NEXT HOLDINGSの売上の大半は動画配信、第一興商はカラオケが中心です。

そのため、売上の順位は全社の規模を示すにとどまり、音楽事業の規模を直接比べたものではありません。音楽事業の規模を知るには、各社が開示するセグメント情報や、業界全体の市場規模(録音・ライブ)と合わせて見る必要があります。

音楽を主力とするエイベックスや、著作権管理に特化するNexToneのように、事業が音楽に近い会社ほど、連結の数字が音楽事業の実態に近くなります。一方、大手の複合企業では、連結の数字と音楽事業の規模は大きく異なる点に注意して読む必要があります。

中期見通し

近未来1-2年

音楽専業の企業は、配信の伸びとライブの回復が業績を左右します。エイベックスのように原盤・マネジメント・ライブを一貫して持つ企業は、ヒット作やライブの状況で業績が振れやすく、先行投資の局面では利益が圧迫されることもあります。

中期3-5年

配信を通じた海外展開と、IP(アニメ・アーティスト)の多面活用が、音楽関連企業の成長の軸になります。ストリーミングを通じて日本の楽曲を海外へ届ける動きや、ライブ・物販・ファンクラブを含めた体験経済への広がりが、収益の柱を広げます。

長期5-10年

音楽事業の連結内での位置づけと、海外・IPの収益貢献が長期の論点です。音楽専業は収益基盤の多角化を、大手は音楽事業の成長と連結への貢献をどう高めるかが問われます。著作権管理では、JASRACとNexToneの競争が分配のあり方を左右します。

よくある質問

音楽関連の上場企業はどこですか?
音楽を主力とする上場はエイベックスや、著作権管理のNexToneなどに限られます。このほか、ソニーグループ(ソニーミュージックの親会社)、USEN-NEXT HOLDINGS(店舗向けBGM)、第一興商(カラオケ)が音楽に関わる上場企業です。世界3大グループの日本法人の多くは非上場か、グループの一部門です。
音楽会社で一番大きいのはどこですか?
連結売上では、ソニーグループが約13.0兆円で最大ですが、その大半はゲームや金融などで、音楽は連結の一部です。音楽を主力とする会社では、エイベックスが連結売上1,317億円です。数値は全社連結ベースで、音楽事業の規模を直接示すものではありません。
なぜ売上ランキングと音楽事業の規模が一致しないのですか?
各社の数値は全社連結で、音楽以外の事業(ゲーム・金融・動画配信・カラオケなど)を含むためです。ソニーグループの売上の大半は音楽以外、USEN-NEXTは動画配信、第一興商はカラオケが中心です。売上の順位は全社の規模を示すにとどまり、音楽事業の規模は各社のセグメント情報と合わせて見る必要があります。
エイベックスはなぜ営業赤字なのですか?
エイベックスのFY2025の連結営業損益は-18億円の赤字でしたが、営業外の収益や特別利益などが加わり、純利益は11億円の黒字を確保しました。営業利益は本業のもうけ、純利益は営業外や特別の損益も反映した最終的な利益で、本業が赤字でも最終的に黒字になることがあります。音楽を主力とするため、その年のヒット作品やライブの状況、先行投資の影響を受けて業績が変動しやすい構造です。原盤・マネジメント・ライブ・アニメ/IPを幅広く手がけ、自己資本比率は47.3%と財務の安定性は保たれています。
ソニーや第一興商は音楽会社ですか?
ソニーグループはソニーミュージック(世界3大グループの一角)の親会社ですが、ゲームや金融が主軸で、音楽は連結のごく一部です。第一興商は業務用カラオケが主力で、カラオケという利用の場や音楽ソフトを通じて音楽に関わります。いずれも音楽を事業の一部に持つ企業で、音楽専業ではありません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    上場各社 有価証券報告書 (EDINET)
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