最終更新
PLAYER DETAIL · POWER BUILDERS

パワービルダーと建売戸建|飯田グループとオープンハウスの事業【2026年版】

建売(分譲戸建)は、用地の仕入れから施工までをまとめて行い、規格化した住宅を量産するパワービルダーが供給します。飯田グループホールディングスは戸建分譲事業12,186億円で建売の最大手、一建設・アーネストワンなど6つのブランドを通じて全国で分譲します。オープンハウスグループは都市部の戸建関連事業6,713億円で、狭小地や駅近の戸建分譲・仲介に強みがあります。注文住宅系のハウスメーカーは別ページで扱います。

建売系パワービルダーの規模と特徴

飯田グループ(全国・6ブランド)とオープンハウス(都市部)、連結 ≠ 戸建セグメント

建売系パワービルダーは、全国で6ブランドを展開する飯田グループと、都市部に特化するオープンハウスで性格が異なります。下の表は各社の連結業績と戸建関連セグメントの売上です。ROEは各社が公表する自己資本利益率で、規模とは別に収益性を示します。連結売上にはマンションや収益不動産、アメリカ事業なども含まれ、戸建関連セグメントはその一部です。

連結売上
15,089億円
営業利益
944億円
ROE
6.3%
戸建関連セグメント売上
戸建分譲事業 12,186億円
連結売上
13,365億円
営業利益
1,459億円
ROE
20.1%
戸建関連セグメント売上
戸建関連事業 6,713億円

飯田グループホールディングス — 全国の建売最大手、6ブランド体制

飯田グループホールディングスは、建売(分譲戸建)の最大手です。戸建分譲事業の売上は12,186億円(2026年3月期)、連結売上は15,089億円で、年間の分譲戸建の販売戸数は業界で群を抜きます。2013年に一建設・飯田産業・東栄住宅・タクトホーム・アーネストワン・アイディホームの旧パワービルダー6社が経営統合して誕生しました。

6つのブランドはそれぞれ独立した営業網と地域基盤を持ち、グループとして全国をカバーしています。用地の仕入れから設計・施工・販売までを標準化し、規格化した分譲戸建を量産することで、価格競争力を保っています。連結のROEは6.3%です。各ブランドの規模は次の表で示します。

オープンハウスグループ — 都市部の戸建分譲・仲介

オープンハウスグループは、東京・名古屋・福岡などの都市部に特化した戸建分譲・仲介を手がけます。戸建関連事業の売上は6,713億円(2025年9月期)で、連結売上は13,365億円です。駅近や狭小地といった都市部の限られた土地を活用し、土地の仕入れと戸建の企画・販売を一体で進めています。

連結には戸建関連のほか、マンション事業・収益不動産事業・アメリカ事業が含まれます。連結のROEは20.1%で、2020年9月期の連結売上5,760億円から2025年9月期の1.34兆円へと事業を拡大してきました。飯田グループが全国の郊外を含めた量で勝負するのに対し、オープンハウスは都市部の立地で勝負する点が特徴です。

飯田グループ6ブランドの規模(2026年3月期、外部売上順)

一建設グループ
外部売上
3,923億円
営業利益
297億円
飯田産業グループ
外部売上
2,940億円
営業利益
238億円
アーネストワングループ
外部売上
2,923億円
営業利益
196億円
タクトホームグループ
外部売上
2,207億円
営業利益
163億円
東栄住宅グループ
外部売上
2,121億円
営業利益
180億円
アイディホーム
外部売上
637億円
営業利益
27億円
読み解き

飯田グループの6ブランドは、それぞれ独立した営業網を持ち、外部売上で見ると一建設グループ(3,923億円)が最大、飯田産業グループ・アーネストワングループが続きます。各ブランドは旧パワービルダー各社を母体とし、地域や顧客層で重なりつつ、グループ全体で全国の分譲戸建市場をカバーしています。

この数値は各ブランドの外部顧客への売上で、グループ内の取引は含みません。6ブランドの売上には分譲戸建のほか、マンション分譲や請負工事も一部含まれます。複数のブランドを束ねる体制は、地域ごとの営業力を保ちながら、用地の仕入れや資材の調達でグループの規模を生かす狙いがあります。

主要論点

パワービルダーはなぜ建売で価格競争力を持てるのか?

パワービルダーの価格競争力は、用地の仕入れ・規格化・量産のかけ合わせで生まれます。まとまった用地を仕入れ、規格化した住宅を複数棟まとめて建てることで、資材の調達や施工の効率が上がり、1棟あたりのコストが下がります。

飯田グループは6ブランドで全国に営業網を持ち、年間の販売戸数が業界で群を抜きます。量を確保することで、資材メーカーや協力会社に対する交渉力を持ち、調達コストを抑えています。標準化された住宅を効率よく建てる仕組みが、注文住宅にはない価格の手頃さを実現しています。

オープンハウスは、都市部の土地の仕入れに強みを持ち、狭小地や変形地を活用した戸建を企画します。立地の確保と戸建の企画・販売を一体で進めることで、都市部という限られた市場で競争力を保っています。量で勝負する飯田グループと、立地で勝負するオープンハウスで、競争力の源泉が異なります。

飯田グループの6ブランド体制にはどんな意味があるのか?

飯田グループは、2013年に旧パワービルダー6社が経営統合して誕生しました。一建設・飯田産業・東栄住宅・タクトホーム・アーネストワン・アイディホームの6ブランドを統合後も維持しているのが特徴です。

6ブランドを残す理由は、地域ごとの営業力とブランドの認知を保ちながら、グループの規模を生かすためです。各ブランドは独立した営業網と地域基盤を持ち、外部売上では一建設グループ(3,923億円)が最大です。一方で、用地の仕入れや資材の調達、資金調達ではグループ全体の規模が効きます。

この体制は、単一ブランドで全国展開するより、地域に根ざした営業を続けやすい利点があります。統合によるコスト削減と、ブランドごとの営業力の両立を狙った構造で、建売最大手の地位を支えています。

建売市場で全国型と都市型の戦略はどう違うのか?

建売市場では、飯田グループの全国型とオープンハウスの都市型で戦略が分かれます。飯田グループは郊外を含む全国で、規格化した分譲戸建を量産し、戸数で市場を押さえています。価格を抑えた住宅を幅広い地域に供給する量の戦略です。

オープンハウスは、東京・名古屋・福岡などの都市部に特化し、駅近や狭小地の戸建を企画します。都市部は土地の確保が難しい一方、需要が根強く客単価も高いため、立地の仕入れ力を武器に高い収益性(ROE20.1%)を実現しています。

戸建の新築着工が減少するなかで、両社の戦略の違いは今後の競争力を分けます。全国型は量の確保と効率化、都市型は立地の確保と企画力が課題です。人口が都市部に集中する傾向のなかで、都市型の戦略が相対的に有利になる可能性もありますが、全国型の量の優位も簡単には崩れません。

中期見通し

近未来1-2年

戸建着工の減少を背景に、パワービルダーは用地の仕入れと販売効率を一段と重視します。飯田グループは6ブランドの効率化、オープンハウスは都市部の立地確保を進めます。建築費の上昇を価格にどう反映するかが、販売戸数とのバランスで課題になります。

中期3-5年

人口の都市部への集中が続くなかで、都市型の戦略の重みが増す見通しです。オープンハウスのような都市特化型は立地の優位を生かし、飯田グループは全国の量を保ちつつ都市部の比重を高める動きが想定されます。規格化と量産のコスト優位は、建売の基本的な競争力として残ります。

長期5-10年

新築の戸数が長期的に縮小するなかで、パワービルダーは新築一辺倒からの転換を迫られます。中古戸建の再生・販売や、土地活用、リフォームといった隣接事業をどう取り込むかが、長期の成長を左右します。建売の量のビジネスモデルを、縮小市場でどう維持・転換するかが問われます。

よくある質問

パワービルダーとは何ですか?
パワービルダーは、用地をまとめて仕入れ、規格化した戸建住宅を量産して分譲(建売)する事業者です。注文住宅が1棟ごとに受注生産するのに対し、標準化と量産で価格を抑えた完成住宅を供給します。代表格は飯田グループホールディングス(戸建分譲事業12,186億円、6ブランド)やオープンハウスグループ(都市部の戸建関連事業6,713億円)です。
建売(分譲戸建)の最大手はどこですか?
飯田グループホールディングスです。戸建分譲事業の売上は12,186億円(2026年3月期)で、年間の分譲戸建の販売戸数は業界で群を抜きます。2013年に一建設・飯田産業・東栄住宅・タクトホーム・アーネストワン・アイディホームの旧パワービルダー6社が経営統合して誕生し、6ブランドで全国に分譲しています。
飯田グループの6ブランドにはどんな会社がありますか?
一建設・飯田産業・東栄住宅・タクトホーム・アーネストワン・アイディホームの6つです。2013年の経営統合後もブランドを維持しており、外部売上では一建設グループが3,923億円(2026年3月期)と最大です。各ブランドは独立した営業網を持ち、地域に根ざした営業を続けながら、用地の仕入れや調達でグループの規模を生かしています。
オープンハウスはどんな会社ですか?
オープンハウスグループは、東京・名古屋・福岡などの都市部に特化した戸建分譲・仲介を手がける会社です。戸建関連事業の売上は6,713億円(2025年9月期)、連結売上は13,365億円です。駅近や狭小地といった都市部の限られた土地を活用し、土地の仕入れと戸建の企画・販売を一体で進めるのが特徴で、連結のROEは20.1%と高い収益性です。
建売と注文住宅の供給事業者はどう違いますか?
建売はパワービルダー(飯田グループ・オープンハウスなど)が用地の仕入れから施工までをまとめて行い、規格化した完成住宅を量産・分譲します。注文住宅はハウスメーカーや工務店(大和ハウス・積水ハウス・住友林業など)が顧客の注文に応じて1棟ごとに受注生産します。価格は建売が相対的に手頃、注文住宅は設計の自由度がある分高めという違いがあります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    飯田グループホールディングス・オープンハウスグループ 連結財務 (EDINET / 決算短信)
  2. 2.
    飯田グループHD決算短信(報告セグメント)
📄 資料DL💬 無料相談