最終更新
STAT DETAIL · MAJOR PLAYERS

ディスカウントストアの主要企業|上場大手の売上高・営業収益と収益性【2026年版】

ディスカウントストア(DS)業界の上場主要企業を、売上規模・収益性で比較します。最大手はドン・キホーテを展開するPPIHで、FY2025の営業収益は約2.25兆円と別格に突出し、2位以下のトライアル(売上高約8,038億円)や神戸物産(業務スーパー、約5,517億円)、大黒天物産(約2,929億円)を大きく上回ります。一方で営業利益率は規模の順とは一致せず、PBや製造小売を強みとする企業が高い水準にあります。本ページでは、上場6社の売上規模・営業利益・ROEを一覧で比較し、規模と収益性の関係、各社の事業ポジションを整理します(営業収益と売上高は集計範囲が一部異なります)。

上場主要社の業績比較

上場6社の直近通期。営業収益(PPIH・MrMax)と売上高(他4社)は基準が一部異なるため「基準」列で明示

下表は上場主要6社の直近通期の売上規模・営業利益・ROEです。PPIHは営業収益約22,468億円(約2.25兆円)と別格で、2位のトライアル(売上高約8,038億円)の約2.8倍です。PPIHの営業収益はテナント収入なども含む広めの指標のため、売上高どうしで比べると差はやや縮まりますが、PPIHが突出している点は変わりません。

金額の「基準」は社によって異なります。PPIHとミスターマックスは営業収益(商品の売上にテナント収入等を加えた指標)、ほかは売上高です。またROE(自己資本利益率=株主が出した資本をどれだけ効率よく利益に変えたか)は資本構成や業態を反映する指標で、製造小売とFCで大きな資産を抱え込まない神戸物産が約22.2%と高いように、規模の大小だけでは測れません。営業利益率(売上に対する本業の儲けの割合)は下の各社の解説で触れます。ミスターマックスは2月決算で、最新のFY2026はROEが開示資料に含まれないため「—」としています。

PPIH(ドン・キホーテ)— 国内最大手・別格

ドン・キホーテ/MEGAドン・キホーテを展開するPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)は、FY2025の営業収益が約22,468億円(約2.25兆円)と、DS業界で別格の規模を持ちます。2位のトライアルの約2.8倍で、中堅各社とは桁が異なります。

収益性も高く、FY2025の営業利益は約1,623億円、営業利益率は約7.2%です。圧縮陳列と夜間営業による独自の売場、PB「情熱価格」、食品売場を広げたMEGAドン・キホーテ、さらに海外(DON DON DONKI)・米国(GELSON'S)や不動産事業を収益の柱に育てたことが、規模と利益率の両立につながっています。営業収益にはテナント収入なども含まれます。

トライアルHD — スーパーセンター大手

九州発のスーパーセンター大手トライアルは、FY2025の売上高が約8,038億円で、PPIHに次ぐ規模です。食品と非食品を大型店でワンストップに扱い、IoT・データを活用するリテールAIに注力しています。2024年に東証グロースへ上場し、2025年には西友を買収して店舗網を広げました。

営業利益率は約2.6%と、薄利多売のスーパーセンターらしい水準です。低価格と大量販売で売上規模を伸ばす一方、利幅は厚くないため、規模拡大と効率化(リテールAI)で収益を確保する構造です。

神戸物産(業務スーパー)— 食品DS・卸寄りの食のSPA

業務スーパーを展開する神戸物産は、FY2025の売上高が約5,517億円です。フランチャイズで全国に約1,122店を展開し、製造から卸・小売までを一体運営する「食のSPA」で、純粋なディスカウントストアというより食品DS・卸の性格を併せ持つ業態です。本ページでは業態地図上の位置づけを補強する目的で並べています。

特徴的なのが収益性です。営業利益率は約7.2%と高く、ROE(自己資本利益率)は約22.2%と上場6社で最も高い水準にあります。これは製造小売とフランチャイズを軸に、自社で大きな資産を抱え込まない身軽な(asset-light)モデルが背景にあります。ROEの高さは資本効率の高さを示すもので、単純な事業規模や優劣の順位ではありません。

大黒天物産(ラ・ムー/ディオ)— メガ食品DS

岡山を地盤とするメガ食品ディスカウントの大黒天物産は、FY2025の売上高が約2,929億円です。「ラ・ムー」「ディオ」を展開し、精肉・惣菜の製造小売を強みとしています。

営業利益率は約3.3%で、薄利多売のスーパーセンターよりは高く、PB・製造小売を持つ企業群のなかでは中位の水準です。食品・生活必需品に絞って来店頻度を稼ぐ食品DSの収益構造を代表するプレイヤーです。

ミスターマックス(MrMaxHD)— 福岡地盤の総合DS

福岡を地盤とする総合DSのミスターマックスは、最新のFY2026(2026年2月期)の営業収益が約1,477億円です。2月決算のため、ほかの上場各社(FY2025)より新しい時点の数字になります。東証プライムと福証に重複上場しています。

営業利益率は約3.0%です。総合DSとして食品から家電・衣料まで低価格で扱い、地盤の福岡圏と関東で店舗を展開しています。営業収益にはテナント収入などが含まれます。

PLANT — 北陸地盤のスーパーセンター

北陸を地盤とするスーパーセンターのPLANTは、FY2025(2025年9月期)の売上高が約978億円です。営業利益率は約2.1%と、トライアルと同様に薄利多売型の水準です。地域に密着した大型店で、食品と非食品をまとめて扱います。

主要論点

DS業界の最大手はどこで、どれだけ突出しているのか?

最大手は、ドン・キホーテを展開するPPIHです。FY2025の営業収益は約22,468億円(約2.25兆円)で、2位のトライアル(売上高約8,038億円)の約2.8倍にあたります(PPIHは営業収益、トライアルは売上高で基準が一部異なります)。中堅各社が数千億円規模であるのに対し、PPIHは兆円規模で、業界内で別格の位置にあります。

突出の背景には、圧縮陳列やPB「情熱価格」といった独自の売場・商品に加え、MEGAドン・キホーテによる食品強化、海外(DON DON DONKI)や不動産への事業拡大があります。単なる安売りではなく、業態の融合と多角化で規模を広げてきた点が特徴です。

ただし営業収益にはテナント収入なども含まれるため、商品の売上高そのものを各社と単純比較しているわけではない点には注意が必要です。

規模が大きい企業ほど儲かっているのか?

規模と収益性は一致しません。FY2025の営業利益率を見ると、最大手のPPIHは約7.2%、製造小売とFCの神戸物産も約7.2%と高い一方、2位の規模を持つトライアルは約2.6%、PLANTは約2.1%と低めです。食品DSの大黒天物産は約3.3%です。

差を生むのは業態と商品戦略です。PB(プライベートブランド)や精肉・惣菜の製造小売(SPA)を持つ企業は、メーカー品より利幅を確保しやすく、利益率が高くなります。一方、スーパーセンターのように品ぞろえと低価格で大量に売る業態は、利幅を抑える代わりに販売数量で稼ぐため、利益率は低めになります。

つまりDS業界では、規模の大きさよりも、PB・製造小売による利幅の確保や、ROEに表れる資本効率が、収益力を左右します。規模ランキングと収益性ランキングは別物として見る必要があります。

中堅各社はそれぞれどこで戦っているのか?

PPIHに続く中堅各社は、業態と地盤で住み分けています。スーパーセンターのトライアル(約8,038億円)は九州発で全国に広がり、リテールAIと西友買収で規模を追っています。PLANT(約978億円)は北陸地盤です。

食品ディスカウントでは、業務スーパーの神戸物産(約5,517億円)が製造小売とFCで全国に展開し、大黒天物産(約2,929億円)が岡山発のメガ食品DSとして西日本で存在感を持ちます。総合DSのミスターマックス(約1,477億円)は福岡を地盤としています。

このように、各社は全国一律の競争ではなく、得意な業態と地域でポジションを築いています。業態ごとの特徴と、非上場・子会社を含めた全体像は、業態地図のページで整理します。

中期見通し

近未来1-2年

物価高と節約志向を追い風に、各社の売上は増加基調が続くとみられます。トライアルは西友買収の統合効果、PPIHは海外・PB・不動産の拡大が業績を押し上げる見通しです。一方で、人件費や仕入れ価格の上昇は利幅を圧迫するため、PBや製造小売による利益率の維持が各社の焦点になります。

中期3-5年

中期では、規模の拡大とともに収益性の差が一段と表れる可能性があります。PBや製造小売を強める企業と、薄利多売で規模を追う企業とで、利益率の二極化が進む見通しです。M&Aや業態の融合が続き、上位企業への集約が進むかが論点となります。

長期

長期では、人口減少を背景に国内市場の伸びは限られ、海外展開や業態転換で成長を確保する動きが強まる見通しです。最大手PPIHの海外展開はその先行例で、中堅各社も得意業態の深掘りと効率化(リテールAI・製造小売)で収益力を高める競争が続きます。

よくある質問

ディスカウントストアの上場企業で最大手はどこですか?
ドン・キホーテを展開するPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)です。FY2025の営業収益は約22,468億円(約2.25兆円)で、2位のトライアル(売上高約8,038億円)を大きく上回り、業界で別格の規模を持ちます。
主要企業の売上ランキングはどうなっていますか?
FY2025(ミスターマックスはFY2026)ベースで、PPIH約22,468億円(営業収益)、トライアル約8,038億円、神戸物産(業務スーパー)約5,517億円、大黒天物産約2,929億円、ミスターマックス約1,477億円(営業収益)、PLANT約978億円の順です。PPIHとミスターマックスは営業収益、ほかは売上高で、基準が一部異なります。
営業収益と売上高は何が違いますか?
ドン・キホーテ(PPIH)やミスターマックスが用いる「営業収益」は、商品の売上に加えてテナント収入などを含む広めの指標です。トライアルや大黒天物産などが用いる「売上高」とは集計範囲が一部異なるため、各社の規模を横並びで比べるときは、この基準の違いに留意する必要があります。
規模が一番大きい企業が一番儲かっているのですか?
必ずしもそうではありません。FY2025の営業利益率は、最大手PPIHが約7.2%、製造小売の神戸物産が約7.2%と高い一方、2位の規模を持つトライアルは約2.6%と低めです。PBや製造小売で利幅を確保できるかが収益性を左右し、規模ランキングと収益性ランキングは一致しません。
なぜ各社の決算の時期がバラバラなのですか?
各社が定める会計年度(決算期)が異なるためです。PPIHとトライアルは6月期、大黒天物産は5月期、神戸物産は10月期、ミスターマックスは2月期、PLANTは9月期です。本ページでは各社の直近通期で比較しており、ミスターマックスのみ最新がFY2026(2026年2月期)となっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)/ トライアルHD(141A)/ 神戸物産(3038)/ 大黒天物産(2791)/ ミスターマックスHD(8203)/ PLANT(7646)IR
📄 資料DL💬 無料相談