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通信工事の主要企業(NTT系大手3社)|連結業績を比較【2026年版】

通信工事の元請を主導するNTT系の大手3社の連結業績(2025年3月期)を比べると、売上はエクシオグループが6,708億円で最大、コムシスホールディングスが6,146億円、ミライト・ワンが5,786億円です。利益ではコムシスが営業利益459億円・純利益300億円と最も高い水準です。ただし各社の連結売上はIT・都市インフラ・環境など非通信工事を広く含み、通信工事コアは連結の概ね2.5〜4割です。3社の連結を足しても通信工事市場の規模にはなりません。

NTT系 通信建設大手3社の連結業績と事業構成 (2025年3月期)

数値はいずれも連結全社ベース。通信工事以外(IT・都市インフラ・環境など)を含み、通信工事コアは連結の概ね2.5〜4割

連結売上はエクシオ・コムシス・ミライト・ワンの順ですが、利益ではコムシスが営業利益459億円・経常利益466億円・純利益300億円と3社で最も高く、売上規模と収益性の順位は一致しません。下の表は連結全社の数字で、通信工事事業のみを取り出したものではありません。各社の事業構成と通信工事コアの比重は会社により異なり、通信工事への依存度と多角化のバランスに各社の個性が表れます。

エクシオグループ
旧 協和エクシオ — 通信キャリア・都市インフラ・システムソリューション
連結売上高
6,708億円
営業利益
425億円
経常利益
435億円
純利益
269億円
コムシスホールディングス
NTT東日本系 — NTT設備・NCC設備・IT・社会システム関連
連結売上高
6,146億円
営業利益
459億円
経常利益
466億円
純利益
300億円
ミライト・ワン
旧 ミライト・ホールディングス — 通信インフラ・ICT・環境社会
連結売上高
5,786億円
営業利益
280億円
経常利益
275億円
純利益
172億円

エクシオグループ — 売上最大、通信キャリアと都市インフラ

旧・協和エクシオを中核に、シーキューブ・西部電気工業・日本電通といったNTT系の通信建設会社を経営統合して規模を広げてきた、通信建設大手です。2025年3月期の連結売上は6,708億円で3社最大、営業利益は425億円、純利益は269億円でした。前期(売上6,141億円)から増収増益です。

事業は、通信キャリア・都市インフラ・システムソリューションの3セグメントに分かれます。中核の通信キャリア(外部顧客売上2,525億円)が通信工事コアで、これはNTTグループ向け約2,094億円とNCC(KDDI・ソフトバンク等)向け約430億円からなります。通信キャリアが連結売上に占める比率は約37.6%(外部顧客売上高ベース)で、残りは都市インフラ(約2,177億円)とシステムソリューション(約2,006億円)です。

つまりエクシオは、通信工事を最大の柱としつつ、都市土木・電気設備などの都市インフラ、ITのシステムソリューションへと事業を広げた構成です。通信キャリアの設備投資に依存しすぎない収益基盤を築く方向で、非通信の比重が相対的に大きいのが特徴です。

コムシスホールディングス — 収益性が3社で最も高い

NTT東日本系の通信建設を源流とする持株会社で、日本コムシス・サンワコムシス・TOSYS・つうけん・NDS・SYSKEN・北陸電話工事などを傘下に持ちます。2018年にはNDS・北陸電話工事・SYSKENという上場していた通信工事3社を株式交換で完全子会社化し、グループを集約しました。連結売上は6,146億円です。

特徴は収益性の高さです。営業利益459億円・経常利益466億円・純利益300億円はいずれも3社で最も高く、売上ではエクシオに次ぐ2番手ながら、利益では3社の筆頭です。受注高は6,388億円でした。

事業構成は、NTT設備事業(売上2,365億円)を中核に、NCC設備事業(約421億円)、ITソリューション事業(約1,245億円)、社会システム関連事業等(約2,113億円)の4区分です。通信工事コアであるNTT設備事業は連結売上の約38.5%(セグメント売上高ベース)を占め、最大の顧客はNTT東日本グループです。安定した通信インフラ工事を基盤に、IT・社会システムへ多角化しています。

ミライト・ワン — 多角化が最も進み、通信工事の比重が最も小さい

大明・東電通・コミューチュアという3社の通信建設会社が2010年にミライト・ホールディングスとして統合し、2022年に西武建設などを加えてミライト・ワンへと再編した会社です。連結売上は5,786億円、営業利益280億円、純利益172億円で、前期(売上5,184億円)から増収増益です。単一で最大の顧客はNTT東日本(売上約870億円)です。

事業は、ICTソリューション事業(外部顧客売上約2,038億円)、通信インフラ事業(同1,433億円)、環境・社会イノベーション事業(同約2,316億円)の3区分です。通信工事コアである通信インフラ事業が連結売上に占める比率は約24.8%(外部顧客売上高ベース)で、3社のなかで最も小さくなっています。

これは、ミライト・ワンが通信工事以外への多角化を最も進めていることを示します。ICTソリューションや、西武建設の統合で加わった環境・社会イノベーション(建設・土木を含む)の比重が大きく、通信インフラの設備投資サイクルに左右されにくい事業構成を志向しています。通信建設を源流としながら、総合的なインフラ・ICT企業への転換を進めている点が特徴です。

主要論点

大手3社の連結売上を足せば、通信工事の市場規模になるのか?

いいえ、なりません。3社の連結売上を合算すると約18,640億円(約1.86兆円、2025年3月期)ですが、これを通信工事の市場規模とは見なせません。

第一に、各社の連結売上には通信工事以外の事業が広く含まれます。エクシオの都市インフラ・システムソリューション、コムシスのIT・社会システム、ミライト・ワンの環境・ICTなどで、通信工事コア(NTT設備/通信キャリア/通信インフラ)は連結の概ね2.5〜4割にとどまります。第二に、3社はあくまで全国1万6,523社ある電気通信工事業者のうちの3社です。

電気通信工事の施工規模は、施工統計の完成工事高(2024年度で計約3.51兆円)で捉えます。連結売上や社数の合算を市場規模の代わりに使わないのが基本です。

なぜNTT系の大手3社に元請が集まるのか?

背景には発注者の構造があります。最大の発注者であるNTT東西・NTTドコモは、全国規模で設備投資を行います。この全国規模の工事を一括して受注し、品質を揃えて施工を管理するには、広域の拠点網・技術者・施工管理体制が必要です。

大手3社は、もともとNTTの通信建設を担ってきた会社を源流とし、そこに地域の通信工事会社を統合して広域対応力を蓄えてきました。コムシスはNDS・SYSKEN・北陸電話工事などを、エクシオはシーキューブ・西部電気工業・日本電通などを、ミライト・ワンは大明・東電通・コミューチュアを統合しています。こうした集約により、全国のNTT発注案件に対応できる体制を整えました。

ただし、元請に工事が集まることと、施工を大手だけで行うことは別です。元請として受注した工事も、その施工の多くは全国の専門工事業者が下請で担っており、大手3社への元請集中と、施工を支える多数の専門工事業者の裾野は、両立しています。

各社の多角化の違いは、何を意味するのか?

3社は通信工事を源流としながら、多角化の度合いに差があります。通信工事コアの連結比率は、コムシス(NTT設備)が約38.5%、エクシオ(通信キャリア)が約37.6%、ミライト・ワン(通信インフラ)が約24.8%で、ミライト・ワンが最も通信工事の比重が小さくなっています。

この差は、成長戦略の違いを反映しています。通信インフラの国内設備投資は、NTTの投資計画に左右され、大きくは伸びにくい面があります。そこで各社は、IT・システムソリューション(全社共通)、都市インフラ(エクシオ)、環境・社会イノベーション(ミライト・ワン)といった非通信の領域へ事業を広げ、通信キャリアの投資サイクルに依存しすぎない収益基盤を築こうとしています。

投資家から見ると、通信工事事業の動向を測りたい場合は各社のセグメント情報を見る必要があり、連結売上だけでは事業の実態はつかめません。通信工事への依存度と多角化のバランスが、各社の成長性と安定性を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

各社の業績は、最大の発注者であるNTTの設備投資動向に左右される局面が続きます。5G基地局やデータセンター、光ファイバ網の更新に伴う工事が、通信工事コアの収益を支えます。IT・システムソリューションや都市インフラなど非通信の事業が、通信の投資サイクルの変動を和らげる役割を担います。

中期3-5年

中期では、データセンター・光ファイバ更新の需要が通信工事コアを底上げする一方、各社の非通信領域(都市インフラ・ICT・環境)への多角化がさらに進む見通しです。M&Aや事業統合による事業ポートフォリオの組み替えも、各社の成長戦略の軸となります。

長期5-10年

長期では、通信インフラの世代交代(Beyond 5G等)への対応と、通信工事に依存しない総合インフラ企業への転換が論点です。国内の通信設備投資が構造的に大きくは伸びにくいなか、非通信の領域でどれだけ収益を積み上げられるかが、各社の企業価値を左右します。

よくある質問

通信工事の主要企業(大手3社)はどこですか?
NTT系の通信建設大手3社、コムシスホールディングス・エクシオグループ・ミライト・ワンです。2025年3月期の連結売上は、エクシオが6,708億円、コムシスが6,146億円、ミライト・ワンが5,786億円です。3社ともNTTの通信建設を源流とし、地域の通信工事会社を統合して規模を広げてきました。
売上と利益で順位が違うのはなぜですか?
売上高はエクシオ・コムシス・ミライト・ワンの順ですが、利益ではコムシスが営業利益459億円・純利益300億円と3社で最も高くなっています。各社は事業構成が異なり、通信工事の比重や利益率に差があるため、売上規模と収益性の順位は必ずしも一致しません。単年の数値だけでなく、事業構成と合わせて読むことが重要です。
大手3社の売上はすべて通信工事ですか?
いいえ。各社の連結売上には通信工事以外の事業が広く含まれます。通信工事コアの比率は、コムシス(NTT設備事業)が約38.5%、エクシオ(通信キャリア)が約37.6%、ミライト・ワン(通信インフラ)が約24.8%で、概ね2.5〜4割です。各社ともIT・都市インフラ・環境などへ多角化しており、連結売上をそのまま通信工事市場の規模とは見なせません。
3社の連結売上を足せば通信工事の市場規模になりますか?
いいえ。3社の連結売上の合計は約18,640億円(約1.86兆円)ですが、非通信工事を含むうえ、3社は全国1万6,523社ある電気通信工事業者のうちの3社にすぎません。電気通信工事の施工規模は、施工統計の完成工事高(2024年度で計約3.51兆円)で捉えます。
3社はどんな会社を統合してきたのですか?
コムシスは日本コムシス・NDS・SYSKEN・北陸電話工事など(2018年にNDS・SYSKEN・北陸電話工事の上場通信工事3社を完全子会社化)、エクシオはシーキューブ・西部電気工業・日本電通、ミライト・ワンは大明・東電通・コミューチュア(2010年統合)を源流とし、さらに西武建設などを加えて再編しました。いずれもNTTの通信建設を担ってきた地域会社を統合し、全国規模の元請体制を築いてきました。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    コムシスホールディングス 決算補足説明資料(2025年3月期)
  2. 2.
    エクシオグループ 決算短信(2025年3月期)
  3. 3.
    株式会社ミライト・ワン 決算短信(2025年3月期)
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