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大手証券グループの業績比較|野村・大和・ネット証券の規模とROE【2026年版】

日本の大手証券グループは、独立系の野村・大和、メガバンク系列の銀行系、SBI・楽天などのネット系に大きく分かれます。規模では野村ホールディングスが純収益18,925億円・当期純利益3,407億円で突出し、大和証券グループ本社(純営業収益6,460億円)が続きます。ただし各社は会計基準が異なり、純収益や純営業収益の定義もそろわないため、単純な順位づけはできません。本ページでは、主要な上場証券グループの財務を会計基準の違いを明示しながら比較します。

主要上場証券グループの財務比較 (2024年度=2025年3月期)

会計基準が異なるため金額の単純な順位比較はしない。規模感と収益構造の特徴を示す

主要な上場証券グループの財務を見ると、規模では野村ホールディングスが突出しています。純収益18,925億円は大和証券グループ本社の純営業収益6,460億円を上回り、当期純利益も3,407億円と大和の1,543億円を上回ります。一方、ネット専業の松井証券は純営業収益371億円と規模は小さいものの、ROEは13.8%と高く、低コストの収益構造を映しています。

ここで重要なのは、各社の会計基準が異なる点です。野村は米国基準の「純収益」、大和・松井は日本基準の「純営業収益」で、これらは定義がそろわず単純には比較できません。当期純利益の横並びも、会計基準が異なるため厳密な順位比較はしません。マネックスグループは国際会計基準で純営業収益の概念がなく、米国事業や暗号資産事業を含むグループ連結のため、証券単体の数字ではありません。会計基準と集計範囲の違いを踏まえて読む必要があります。

野村ホールディングス — 国内最大規模の総合証券

野村ホールディングスは、純収益18,925億円・当期純利益3,407億円(2024年度・米国基準)で、国内の証券グループでは最大規模です(純収益・純利益とも大和を上回ります)。当期純利益3,407億円は過去最高で、株高とグローバル事業の好調が寄与しました(野村開示)。

事業は3部門で構成され、機関投資家向けのホールセール(純収益10,579億円)が最大、個人向けのウェルス・マネジメント(4,515億円)、資産運用のインベストメント・マネジメント(1,925億円)が続きます。国内最大の営業基盤に加え、海外でも投資銀行・トレーディングを展開する点が、他の国内証券との違いです。ROEは10.0%です。

大和証券グループ本社 — 独立系大手の2番手

大和証券グループ本社は、純営業収益6,460億円・当期純利益1,543億円(2024年度・日本基準)で、独立系大手では野村に次ぐ規模です。ROEは9.8%です。

事業は、個人向けのウェルスマネジメント、資産運用のアセットマネジメント、機関投資家向けのグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキングの3部門で構成されます。対面の営業基盤を持ちつつ、投資銀行業務やM&A助言にも強みを持つ点が、ネット専業との違いです。

松井証券 — ネット専業の高い収益効率

松井証券は、純営業収益371億円・当期純利益105億円(2024年度・日本基準、非連結)と規模は大手より小さいものの、ROEは13.8%と高水準です。店舗を持たないネット専業の低コスト構造が、高い収益効率につながっています。

収益の柱は、株式売買の委託手数料189億円と、信用取引の金利を中心とした金融収益155億円です。国内株式の委託手数料が無料化されるなかでも、信用取引の金利収入などで収益を確保しています。SBI証券・楽天証券とともに、ネット証券として個人投資家の取引を取り込んでいます。

マネックスグループ — 米国・暗号資産を含むグループ連結

マネックスグループは、国際会計基準のグループ連結で、営業収益は738億円(2024年度)です。内訳は、米国事業(TradeStation、519億円)が最大で、暗号資産事業(Coincheck、135億円)、日本事業(101億円)と続きます。

2024年度の親会社帰属当期利益は△51億円の損失でしたが、これは暗号資産事業のCoincheckが米国で上場した際の一過性の費用が主因です。なお、国内のマネックス証券はNTTドコモとの合弁会社(ドコモマネックスホールディングス)の傘下で持分法適用の扱いとなり、マネックスグループの数字は証券単体ではありません。米国株や暗号資産の取引に連動する収益構造が特徴です。

銀行系大手 — メガバンク系列で銀証連携が強み

SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、いずれもメガバンクのグループ会社です。これらは単独では上場しておらず、財務はそれぞれ親会社の金融グループ(三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ)の連結に含まれます。

銀行系の強みは、親グループの広大な顧客基盤を生かした銀証連携です。銀行の窓口で投資信託や債券を販売し、富裕層や法人にはグループ一体で資産運用・事業承継・M&Aを提案します。独立系・ネット系とは異なり、銀行の信頼と顧客接点を入り口にできる点が特徴です。

SBI・楽天 — ネット最大手だがグループ連結

SBI証券と楽天証券は、口座数で先行するネット最大手ですが、いずれも証券単体では上場していません。SBI証券はSBIホールディングス(銀行・保険・暗号資産などを含む金融グループ)の傘下、楽天証券は楽天グループの傘下で、財務はグループ連結に含まれ証券単体の数字とは異なります。

両社は、株式売買手数料の無料化を集客の入り口とし、信用取引の金利、投資信託、外国株、ポイント経済圏との連携で個人投資家を取り込んでいます。口座数では大手対面証券を上回る規模に達しており、ネット証券の存在感が高まっています。

主要論点

証券会社の規模はどう違うのか、最大手はどこか?

規模で見ると、野村ホールディングスが純収益18,925億円・当期純利益3,407億円で、国内の証券グループでは突出しています。純収益・純利益とも、2番手の大和証券グループ本社(純営業収益6,460億円・純利益1,543億円)を上回ります。

ただし、「最大手はどこか」を金額の順位だけで語ることはできません。各社は会計基準が異なり(野村は米国基準の純収益、大和・松井は日本基準の純営業収益、マネックスは国際会計基準)、指標の定義がそろわないためです。当期純利益の比較にも基準差があります。さらに、SBIや銀行系のように証券単体の財務が開示されないグループもあります。規模感の目安としては野村が最大ですが、厳密な順位比較は避け、各社の収益構造の違いとあわせて読むのが適切です。

独立系・銀行系・ネット系は何が違うのか?

独立系大手(野村・大和)は、対面の営業基盤と投資銀行業務を併せ持つ総合証券です。富裕層・法人向けの運用提案やM&A助言、機関投資家向けのホールセールが収益の柱です。銀行系(SMBC日興・みずほ証券・三菱UFJモルガン・スタンレー)は、メガバンクの顧客基盤を生かした銀証連携が強みで、財務は親グループの連結に含まれます。

ネット系(SBI・楽天・松井・マネックス)は、店舗を持たない低コスト構造で個人投資家の取引を取り込みます。手数料無料化を集客の入り口とし、信用取引の金利や投資信託、ポイント経済圏との連携で収益を確保します。同じ証券業でも、顧客層(富裕層・法人か、個人か)と収益モデル(助言・ホールセールか、低コストの取引基盤か)が大きく異なります。

規模と収益性(ROE)は一致するのか?

規模の大きさと収益性は必ずしも一致しません。ネット専業の松井証券はROE13.8%で、野村ホールディングスの10.0%や大和証券グループ本社の9.8%を上回ります。店舗や対面営業のコストを持たないネット専業は、規模が小さくても効率的に利益を出せるためです。

もっとも、ROEは自己資本の使い方や事業構成によっても変わるため、単独で優劣を決める指標ではありません。独立系大手は、ホールセールや投資銀行業務で大きな収益を生む一方、相場環境による振れも大きくなります。規模を追う独立系と、効率を追うネット系では、収益性の出方が構造的に異なります。投資家としては、規模・効率・収益の安定性をあわせて見ることが重要です。

中期見通し

近未来1-2年

各社は、委託手数料の無料化を背景に、預り資産に応じたストック型の収益への転換を競います。独立系大手は運用提案や投資銀行業務、ネット系は口座基盤と信用取引・投資信託の収益が軸になります。株高局面では独立系の業績の振れが大きくなります。

中期3-5年

ネット系は、銀証連携やポイント経済圏との連携で個人投資家の取り込みを進めます。銀行系は親グループとの一体運営を強め、独立系大手は富裕層・法人向けの助言とグローバル展開で差別化を図ります。業態をまたいだ提携や再編の動きも論点になります。

長期5-10年

「貯蓄から投資へ」が定着すれば、預り資産の拡大が各社の収益を底上げします。低コスト化が進むなかで、規模を追う独立系、効率を追うネット系、顧客基盤を生かす銀行系のどのモデルが収益性を保てるかが、長期の競争を左右します。

よくある質問

証券会社の最大手はどこですか?
規模では野村ホールディングスが突出しています(2024年度の純収益18,925億円・当期純利益3,407億円)。純収益・純利益とも2番手の大和証券グループ本社(純営業収益6,460億円・純利益1,543億円)を上回ります。ただし各社は会計基準が異なり指標の定義もそろわないため、金額の単純な順位づけはできません。規模感の目安として野村が最大です。
野村と大和はどう違いますか?
野村ホールディングスは純収益18,925億円で、機関投資家向けのホールセール(10,579億円)が最大の事業です。海外でも投資銀行・トレーディングを展開します。大和証券グループ本社は純営業収益6,460億円で、個人向けのウェルスマネジメントや資産運用、投資銀行業務をバランスよく持ちます。いずれも対面の営業基盤を持つ独立系大手です。
松井証券のROEが高いのはなぜですか?
松井証券のROEは13.8%で、野村(10.0%)や大和(9.8%)を上回ります。店舗を持たないネット専業の低コスト構造が背景です。委託手数料189億円と信用取引の金利を中心とした金融収益155億円が収益の柱で、規模は小さくても効率的に利益を出しています。
SBI証券や楽天証券はなぜ財務比較に入らないのですか?
SBI証券はSBIホールディングス(銀行・保険・暗号資産を含む金融グループ)の傘下、楽天証券は楽天グループの傘下で、いずれも証券単体では上場しておらず、財務はグループ連結に含まれます。証券単体の純収益が比較できる形で開示されないため、本ページの財務比較表には含めていません。口座数ではネット最大手として先行しています。
銀行系の証券会社(SMBC日興など)はなぜ単独で出ないのですか?
SMBC日興証券・みずほ証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、いずれもメガバンクのグループ会社で単独上場しておらず、財務は親会社の金融グループ(三井住友FG・みずほFG・三菱UFJ FG)の連結に含まれます。銀行の顧客基盤を生かした銀証連携が強みです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 決算短信・US-GAAP決算説明資料(2025年3月期)
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