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ラーメン主要チェーンの業績比較|売上・ROEと業態別の特徴【2026年版】

全国に約1万8,000店あるラーメン店の大多数は個人経営で、そこに上場チェーンが店舗網を広げています。連結がほぼラーメン・中華食堂で構成される専業上位では、首都圏で日高屋を展開するハイデイ日高が連結売上556億円で最大手級、ギフトホールディングス・丸千代山岡家・力の源ホールディングス・幸楽苑ホールディングスが続きます。収益性(ROE)では24時間営業の山岡家(丸千代山岡家)が53.8%と突出します。一方、物語コーポレーションやトリドールホールディングスはラーメンを1業態として持つだけで、連結はグループ全体です。各社の売上規模・収益力と業態別の特徴を整理します。

主要チェーンの業績と業態別プレイヤー

ラーメン専業・準専業5社の連結通期業績(FY2025)と、多ブランド外食・隣接を含む業態別の主要プレイヤー

一覧表は、連結業績がほぼラーメン・中華食堂で構成される専業・準専業5社を、各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)に基づき売上の大きい順に並べたものです。連結売上・営業利益・純利益は億円単位、ROE(自己資本利益率、株主資本をどれだけ効率よく利益に変えたか)と自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務が安定)は各社の公表値です。最大手級のハイデイ日高(556億円)は自己資本比率75.1%と財務が厚く、ロードサイド専業の山岡家はROE53.8%と高い収益性を示すなど、規模と収益性の順位は一致しません。丸源ラーメンの物語コーポレーションやずんどう屋のトリドールHDは連結がグループ全体(ラーメンは1業態)のため、この表には含めず後段で別に整理します。

中華・ラーメン食堂と中華そば — ハイデイ日高・幸楽苑

ハイデイ日高は、首都圏の駅前を中心に「熱烈中華食堂 日高屋」を展開する中華・ラーメン食堂チェーンで、上場するラーメン関連企業のなかで連結売上556億円(FY2025)と最大手級です。ラーメンや中華のメニューを低価格でそろえ、駅前という好立地と高い回転率で稼ぐのが特徴です。財務面では自己資本比率75.1%と借入に頼らない厚い自己資本を持ち、ROEは16.1%です。コロナ禍で深夜帯の需要が落ち込み一時赤字となりましたが、その後は客足の回復とともに営業利益55億円まで戻しています。

幸楽苑ホールディングスは、ロードサイドを中心に中華そばの「幸楽苑」を展開します。コロナ禍では赤字が続き、不採算店の閉鎖や店舗網の見直しといった構造改革を進めてきました。その結果、FY2025の連結売上は188億円と縮小したものの、純利益は黒字を確保し、ROEは20.5%まで回復しています。両社に共通するのは、低価格の日常使いを軸とする業態であり、原材料費の高騰のなかで値上げと省人化のバランスをとりながら収益性を立て直そうとしている点です。

横浜家系と博多豚骨の専業 — ギフトHD・力の源HD

ギフトホールディングスは、横浜家系の「町田商店」を主力に、二郎系の「豚山」、油そばの「元祖油堂」などを展開する家系・ガッツリ系の専業チェーンです。連結売上359億円、ROE23.4%と専業上位の高い収益性を示します。特徴は、直営店に加えて店主の独立・運営を支援する「プロデュース店」の仕組みで、自社の出店投資を抑えながら店舗網を広げる点にあります。スープや食材の供給を握りつつ、加盟する店の数で面を広げるモデルです。

力の源ホールディングスは、博多豚骨の「一風堂」を国内外で展開するラーメン専業で、連結売上342億円、ROE17.6%、自己資本比率57.5%です。海外売上の比率が高いことが最大の特徴で、コロナ禍では海外店舗の休業が打撃となり一時赤字に陥りましたが、その後は海外でのラーメン人気を背景に回復しました。直営店に加えて、海外ではライセンス供与による出店も進めており、ラーメン専業の海外展開を象徴する企業です。

ロードサイド専業 — 丸千代山岡家

丸千代山岡家は、24時間営業のロードサイド店「山岡家」を展開する専業チェーンです。連結売上は346億円ですが、ROEは53.8%と上場するラーメン各社のなかで突出して高く、収益性で際立ちます。

高い収益性の背景には、各店舗で豚骨スープをじっくり炊く店内仕込み(セントラルキッチンを使わない独自の方式)による商品力、24時間営業による高い回転率、そして地価の安いロードサイドへの出店による賃料の抑制があります。出店ペースも速く、連結売上はこの数年で大きく伸びました(FY2019の約128億円から346億円へ)。単一ブランドにオペレーションを集中させ、効率を磨き込む専業チェーンの成長モデルを体現しています。

多ブランド外食グループ — 物語コーポレーション・トリドールHD(連結はグループ全体)

物語コーポレーションは、焼肉の「焼肉きんぐ」を中核に、お好み焼やしゃぶしゃぶなど複数業態を展開する外食グループで、丸源ラーメンをラーメン業態として手がけています。連結売上は1,239億円(FY2025)、ROE17.7%ですが、これはグループ全体の数字で、ラーメン(丸源)単独の売上は連結では分離して開示されていません。

トリドールホールディングスは、うどんの「丸亀製麺」を中核に国内外で展開する外食グループで、ずんどう屋をラーメン業態として持ちます。連結売上は2,682億円と本ページで扱う各社で最大ですが、これもグループ全体の数字です。直近のROEは2.2%と低水準で、丸亀製麺の海外出店や海外外食企業のM&Aといった先行投資が一時的に収益を押し下げています。両社とも連結はラーメン以外が大半を占めるため、専業5社の売上と同じ列で比べることはできず、ラーメン事業の規模は連結値からは読み取れません。

隣接の中華・麺類と非上場ブランド — 王将・リンガーハット・一蘭ほか

王将フードサービスは「餃子の王将」を全国展開する中華食堂チェーンで、ラーメンも提供しますが主力は餃子や中華定食であり、ラーメン専業ではありません。連結売上1,110億円、ROE11.3%、自己資本比率76.8%と、直営中心で堅固な財務を持ちます。リンガーハットは長崎ちゃんぽんを主力とする麺類業態で、ちゃんぽん・皿うどんが中心であり、こちらもラーメンとは別の業態です。

また、一蘭や天下一品などの有力ブランドは非上場で展開しています。一蘭は天然とんこつ、天下一品はこってり系のスープで全国的に知られますが、上場各社のような連結財務の開示はないため、本ページの業績比較には含めていません。ラーメン業界は、こうした上場チェーン・隣接業態・非上場の有力ブランド、そして無数の個人店が入り混じって競い合う市場です。

主要論点

専業チェーンはなぜ高い収益性を上げられるのか?

収益性(ROE)でみると、24時間営業の山岡家(丸千代山岡家)が53.8%と上場するラーメン各社のなかで突出し、ギフトHD(23.4%)、構造改革を経た幸楽苑HD(20.5%)、力の源HD(17.6%)が続きます。

専業チェーンの強みは、単一ブランドにオペレーションを集中できる点にあります。山岡家は各店舗で豚骨スープを炊く店内仕込みで商品力を保ちつつ、24時間営業で回転率を高め、ロードサイドで賃料を抑えています。ギフトHDは店主の独立を支援する「プロデュース店」で出店投資を抑えながら面を広げ、力の源HDは海外のラーメン人気を取り込んでいます。それぞれが自社の業態に合った効率化と出店のモデルを磨き込んでいます。

ただし、売上規模の大きさと収益性は一致しません。連結売上では日高屋のハイデイ日高(556億円)が最大手級ですが、ROEは16.1%で、売上346億円の山岡家のほうが高くなっています。規模のランキングと収益性のランキングは別物として読む必要があります。

物語・トリドールの連結売上を「ラーメンの売上」と読んでよいか?

読めません。物語コーポレーション(連結1,239億円)の主力は焼肉の「焼肉きんぐ」、トリドールHD(連結2,682億円)の主力はうどんの「丸亀製麺」であり、いずれもラーメンはグループの1業態にすぎません。

これらの連結売上はグループ全体を合算した数字で、ラーメン業態(物語の丸源ラーメン、トリドールのずんどう屋)の売上は連結では分離して開示されていません。そのため、連結売上をそのまま「ラーメンの売上」と読むと、ラーメン事業の規模を実際より大きく捉えてしまいます。本ページで専業5社を一覧表に、これら多ブランド外食を分けて整理しているのは、この集計範囲の違いを混同しないためです。

同様に、王将フードサービス(連結1,110億円)は中華食堂、リンガーハットは長崎ちゃんぽんで、ラーメン専業ではありません。各社の数字を比べるときは、その連結が「どの事業の集計か」を確認することが前提になります。

個人店中心の分散市場で、上場チェーンはどう位置づくのか?

ラーメンは、全国に約1万8,000店があり、その大多数を個人経営の店が占める分散した市場です(2016年)。少数の企業が市場を占めているわけではなく、無数の個人店のなかに上場チェーンが店舗網を広げる構造になっています。

チェーンの位置づけは、店舗数では上位50社で6,200店(2024年度末)と全体の一部にとどまり、上位3社の売上もこの市場の約25%です(2023年度、帝国データバンク)。少数寡占ではない一方、原材料費の高騰のなかで効率経営に強みを持つチェーンは出店を続けており、上位への集中は緩やかに進んでいます。セントラルキッチンによる原価管理、プロデュース店による出店、海外展開などが、こうした拡大を支えています。

個人店が味の多様性を担い、上場チェーンが効率と規模で店舗網を広げ、その間に多ブランド外食や非上場の有力ブランドが位置する——この多層的な構造のなかで、淘汰と再編が進んでいるのが現在のラーメン業界です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、原材料費・人件費の上昇に対する価格転嫁と効率化の巧拙が各社の収益性を左右します。専業チェーンは単一業態ゆえに値上げの影響が業績に直接表れやすく、客単価の上昇で売上を伸ばせるか、客離れを抑えられるかが、収益性の差となって現れます。自社製麺やセントラルキッチンで原価を管理できる企業が相対的に優位です。

中期3-5年

中期では、各社の成長モデルの優劣が問われます。ギフトHDのプロデュース店、山岡家の店内仕込み・ロードサイド出店、力の源HDの海外展開など、専業各社は固有のモデルで店舗網を広げています。同時に、原材料高に耐えにくい中小のラーメン店を、大手の外食企業や投資ファンドが取り込む再編も続く見通しです。

長期

長期では、人口減少を背景に国内の出店余地が限られるなか、海外展開・効率化・新たな販路が成長の鍵となります。一風堂などにみられる海外出店、冷凍ラーメンやECといった店舗外の販路、省人化による収益性の改善が成長を確保する手段です。売上規模だけでなく、ROEや自己資本比率に表れる稼ぐ力と財務の健全性を高められる企業が、中長期で優位に立つと考えられます。

よくある質問

売上が最も大きいラーメンチェーンはどこですか?
連結業績がほぼラーメン・中華食堂で構成される専業・準専業では、首都圏で日高屋を展開するハイデイ日高が連結売上556億円(FY2025)で最大手級です。続いてギフトHD(359億円)、丸千代山岡家(346億円)、力の源HD(342億円)、幸楽苑HD(188億円)が並びます。なお、物語コーポレーション(1,239億円)やトリドールHD(2,682億円)はラーメンを1業態として持つグループ全体の数字で、ラーメン事業単独ではありません(各社 有価証券報告書)。
ROE(自己資本利益率)が高いラーメンチェーンはどこですか?
FY2025の公表ROEでは、24時間営業の丸千代山岡家(山岡家)が53.8%と上場するラーメン各社のなかで突出しています。続いてギフトHD(23.4%)、構造改革を経た幸楽苑HD(20.5%)、力の源HD(17.6%)、ハイデイ日高(16.1%)が続きます。売上規模の大きさと収益性は必ずしも一致しません。
物語コーポレーションやトリドールの売上はラーメンの売上ですか?
いいえ。両社の連結売上はグループ全体の数字で、主力は物語コーポレーションが焼肉の「焼肉きんぐ」、トリドールHDがうどんの「丸亀製麺」です。ラーメン業態(物語の丸源ラーメン、トリドールのずんどう屋)はグループの1業態にすぎず、連結では分離して開示されていません。そのため連結売上をそのまま「ラーメンの売上」と読むことはできません。
上場していないラーメンチェーンにはどこがありますか?
一蘭や天下一品などの有力ブランドは非上場で展開しています。一蘭は天然とんこつ、天下一品はこってり系のスープで全国的に知られますが、上場各社のような連結財務の開示はありません。このほか、全国のラーメン店の大多数は個人経営で、上場チェーンは店舗数では上位50社で6,200店(2024年度末)と市場の一部を占めるにとどまります。
各社の業績データの出典は何ですか?
各社の有価証券報告書(連結通期、FY2025)に基づく値です。連結売上・営業利益・純利益は億円単位で、ROEと自己資本比率は各社の公表値を用いています。いずれも全社連結ベースの数字です。上位50社の店舗数や上位3社の売上比は、帝国データバンク「全国ラーメン店市場 動向調査(2024年度)」によります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 有価証券報告書(ラーメン関連上場各社、連結通期FY2025)
  2. 2.
    帝国データバンク「全国ラーメン店市場 動向調査(2024年度)」(2025年7月)
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