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ラーメンチェーンの出店と海外展開|直営・FC・プロデュース店と海外進出【2026年版】

個人店が大多数を占めるラーメン市場で、上場チェーンは多様な出店モデルで店舗網を広げています。直営に加え、店主の独立を支援するプロデュース店で面を広げるギフトホールディングス(町田商店)、海外でのラーメン人気を背景に国内156店・海外140店とほぼ同数を展開する力の源ホールディングス(一風堂)など、各社が固有のモデルを磨いています。国内の店舗網の広げ方、海外進出、冷凍ラーメンやECといった店舗外への展開を順に整理します。

主要チェーンの出店モデルと店舗数

ラーメン専業・準専業の上場各社の出店モデル・国内店舗数・海外展開(各社IR、時点は各社の直近決算)
読み解き

各社の店舗数は、それぞれの直近の決算開示に基づきます(時点は社により異なる)。出店モデルは大きく、直営中心(日高屋・山岡家・幸楽苑)、プロデュース店を併用(ギフトHD)、海外を成長軸(一風堂)に分かれます。日高屋は関東に集中してセントラルキッチン(行田工場)で効率を高める一方、山岡家は逆にセントラルキッチンを使わず各店で豚骨スープを炊く店内仕込みを強みとするなど、効率化の方向も各社で異なります。なお、丸源ラーメンの物語コーポレーションやずんどう屋のトリドールHDは、ラーメンが多業態のうちの1つで、ラーメン業態単独の店舗数は連結では分離して開示されないため、この表には含めていません。

国内の店舗網は、どう広げるのか

直営とプロデュース店

店舗網の広げ方は、まず直営(自社が店を出して運営する)と、独立した店主の運営を支援するプロデュース店に分かれます。ギフトホールディングスは、横浜家系の「町田商店」を中心に、直営280店に加えてフランチャイズ・プロデュース店585店を展開し(2025年10月末、国内計865店)、自社の出店投資を抑えながら店の数を増やしています。スープや食材の供給を握りつつ、加盟する店で面を広げるモデルです。

セントラルキッチンと店内仕込み

効率化の方向も各社で分かれます。日高屋(ハイデイ日高)は、関東の駅前に455店を集中させ、セントラルキッチン(行田工場)で仕込みを集約して人手とコストを抑えています。一方、山岡家(丸千代山岡家)は、セントラルキッチンを使わず各店舗で豚骨スープを炊く店内仕込みを強みとし、24時間営業のロードサイド店を188店展開しています。集約による効率と、店内仕込みによる商品力という、対照的な戦略です。

構造改革による店舗の整理

出店は、増やすだけではありません。幸楽苑は、原材料費の高騰や不採算店の影響を受けて、過去に多くの店舗を閉鎖する構造改革を進め、店舗数を約357店まで整理しました。店舗網の最適化を経て、収益性の立て直しを図っています。出店モデルの選択と、店舗網の見直しの両方が、各社の戦略を形づくっています。

なぜ海外へ向かうのか

一風堂は国内とほぼ同数を海外に

海外展開を最も進めているのが、博多豚骨の「一風堂」を展開する力の源ホールディングスです。2025年3月末時点で、国内156店に対し、海外は14の国と地域で140店とほぼ同数を展開しています。海外でのラーメン人気を背景に、直営に加えてライセンス供与なども活用しながら出店を進めており、海外店舗の比重が高いことが大きな特徴です。

海外に出る理由

海外に向かう背景には、国内市場の成熟があります。国内のラーメン市場は個人店中心で、人口減少もあって大きくは伸びにくい一方、海外では日本食ブームを背景にラーメンの人気が高まっています。日本で磨いた一杯を海外へ持ち出すことは、国内の出店余地が限られるなかでの成長戦略となっています。非上場の一蘭なども、海外に店舗を構えています。

海外ならではの難しさ

ただし、海外展開には難しさもあります。各国の景気や物価、現地の食材調達、新規出店の遅れなどが業績に影響し、力の源ホールディングスでも海外事業が利益を押し下げる局面がありました。海外は高い客単価を見込める一方で、為替や現地コストの変動を受けやすく、出店の速度と採算の両立が課題となります。

店舗の外へ広がる販路

冷凍ラーメンとEC

成長のもう一つの方向が、店舗の外です。技術の向上で味の再現度が高まった冷凍ラーメンや、有名店の味を取り寄せられるEC(通信販売)が広がり、各社や個人店が店舗以外の販路で需要を取り込もうとしています。来店に頼らず、家庭での需要や全国の顧客に届けられる点が利点です。

ブランドを生かした物販

店舗で築いたブランドを、土産物や物販に生かす動きもあります。空港や駅、スーパーなどで販売される有名店監修の商品は、店舗に来られない顧客との接点となり、ブランドの認知を広げます。店舗・海外・店舗外という複数の経路を、各社がどう組み合わせるかが、国内市場が大きく伸びにくいなかでの成長の鍵となります。

主要論点

プロデュース店モデルは、持続的な成長につながるのか?

ギフトホールディングスは、直営に加えて店主の独立を支援するプロデュース店で店舗網を広げ、国内865店(2025年10月末)まで拡大しました。自社の出店投資を抑えながら面を広げられる点が、このモデルの強みです。

プロデュース店は、スープや食材の供給、運営ノウハウを本部が握ることで、加盟する店の質を保ちながら数を増やせます。一方で、店舗が増えるほど品質の管理やブランドの一貫性を保つ難しさも増し、本部の支援体制が成長の速度を左右します。

プロデュース店モデルは、出店コストを抑えて面を広げる有効な手段ですが、その持続性は、増えた店舗の質をどう保つかにかかっています。直営とプロデュース店のバランスが、各社の戦略の分かれ目となります。

海外展開は、どの企業の成長軸になるのか?

海外を最も成長軸に据えているのが、一風堂の力の源ホールディングスです。国内156店に対し海外140店(2025年3月末)とほぼ同数を14の国と地域で展開し、海外でのラーメン人気を取り込んでいます。非上場の一蘭なども海外に出ています。

海外が成長軸になりうるのは、国内市場が個人店中心で大きくは伸びにくいのに対し、海外では日本食人気を背景にラーメンの需要が拡大しているためです。高い客単価を見込める市場もあります。一方で、各国の景気や物価、現地コストの影響を受けやすく、採算の確保は容易ではありません。

海外展開は、ブランド力と現地での運営力を持つ企業にとっての成長軸です。すべての企業が海外に向くわけではなく、国内の出店モデルを磨く企業と、海外を軸にする企業に分かれていく見通しです。

国内市場が成熟するなか、出店の余地はどこにあるのか?

国内のラーメン市場は、全国の店舗の大多数を個人店が占める成熟した市場です。上位50社の合計店舗数も2024年度末で6,200店と、市場全体からみれば一部にとどまります。

出店の余地は、いくつかの方向に分かれます。第一に、プロデュース店やフランチャイズで効率的に国内の面を広げる動き。第二に、国内とほぼ同数を展開する一風堂のような海外進出。第三に、冷凍ラーメンやECといった店舗の外への展開です。来店需要に頼る店舗一辺倒では、国内の成熟のなかで成長が頭打ちになりかねません。

したがって、出店余地は「国内の店舗を増やす」ことだけにあるのではなく、出店モデルの効率化・海外・店舗外への広がりという複数の方向にあります。これらをどう組み合わせるかが、各社の成長を左右します。

よくある質問

店舗数が最も多いラーメンチェーンはどこですか?
専業・準専業の上場チェーンでは、横浜家系の「町田商店」などを展開するギフトホールディングスが国内865店(直営280・FC/プロデュース585、2025年10月末)と多く、日高屋(ハイデイ日高、455店)、幸楽苑(約357店)が続きます。一風堂(力の源HD)は国内156店ですが、海外に140店を展開しています。各社の店舗数は直近の決算開示に基づきます。
プロデュース店とは何ですか?
プロデュース店とは、独立した店主が運営する店を、チェーンの本部がスープや食材の供給、運営ノウハウの提供などで支援する仕組みです。ギフトホールディングスが「町田商店」などで活用しており、自社の出店投資を抑えながら店舗網を広げられる点が特徴です。直営店とフランチャイズ・プロデュース店を合わせて、国内865店(2025年10月末)を展開しています。
一風堂は海外に何店ありますか?
力の源ホールディングスが展開する一風堂は、2025年3月末時点で、国内156店に対し、海外は14の国と地域で140店と、国内とほぼ同数を展開しています。海外でのラーメン人気を背景に、直営やライセンス供与を活用して出店を進めており、海外店舗の比重が高いことが特徴です。ただし各国の景気や物価の影響を受けやすく、海外事業が利益を押し下げる局面もあります。
なぜラーメンチェーンは海外に進出するのですか?
国内のラーメン市場が個人店中心で、人口減少もあって大きくは伸びにくいためです。一方、海外では日本食人気を背景にラーメンの需要が高まっており、高い客単価を見込める市場もあります。日本で磨いた味を海外へ持ち出すことが、国内の出店余地が限られるなかでの成長戦略となっています。一風堂や一蘭などが海外展開を進めています。
ラーメンは店舗以外でも広がっていますか?
はい。味の再現度が高まった冷凍ラーメンや、有名店の味を取り寄せられるEC(通信販売)が広がり、店舗に来られない顧客や家庭での需要を取り込む動きが各社で進んでいます。空港や駅、スーパーで販売される有名店監修の商品など、ブランドを生かした物販も広がっています。店舗・海外・店舗外を組み合わせることが、成長の鍵となっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    力の源ホールディングス(一風堂)2025年3月期決算
  2. 2.
    ギフトホールディングス(町田商店ほか)2025年10月期決算
  3. 3.
    ハイデイ日高(日高屋)2025年2月期決算
  4. 4.
    丸千代山岡家(山岡家ほか)2025年1月期決算
  5. 5.
    帝国データバンク「全国ラーメン店市場 動向調査(2024年度)」
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