ラーメン業界の市場規模・主要企業・動向
ラーメン店市場は2024年度に7,900億円と過去最高となる一方、原材料費の高騰で倒産が過去最多となり、値上げと効率経営による淘汰・再編が進む外食業態です。
ラーメンとは、豚骨・醤油・味噌などのスープと麺を組み合わせて店内などで提供する外食業態で、専門店やチェーンから個人経営の店まで幅広い事業者が担います。ラーメン店市場は2024年度に7,900億円となり、10年前の約1.6倍に拡大して過去最高を更新しました。全国には2016年時点で約1万8,000店があり、その多くを個人店が占めるなか、上位50社の店舗数は6,200店まで増えています。一方で原材料費の高騰を背景に倒産は過去最多となり、上場チェーンは効率的な経営で店舗網を広げています。原材料コストの上昇、値上げと「1000円の壁」、淘汰と再編が業界に共通する論点です。本ページでは、日本のラーメン業界を、市場規模と店舗構造、主要チェーンの競争、倒産と原価高、価格戦略、出店・海外展開の5つの軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
ラーメンとは、豚骨・醤油・味噌などのスープと麺を組み合わせて提供する外食業態です。ラーメン店市場は2024年度に7,900億円と過去最高を更新する一方、全国の店舗の多くを個人経営が占める分散した市場に、上場チェーンが店舗網を広げる転換期を迎えています。
- ラーメンは個人店が大多数を占める分散した市場です。全国のラーメン店は2016年時点で約1万8,000店あり、その約6割を個人経営が占めています。市場規模はチェーンの出店を背景に拡大し、2024年度に7,900億円と過去最高を更新しました。
- 原材料費の高騰で淘汰が進んでいます。ラーメンの原価指数は2020年の100から2025年に141へ上昇し、ラーメン店の倒産は2024年に79件と過去最多となりました。2025年は59件へ減少しています。
- 上場チェーンが効率的な経営で店舗網を広げています。日高屋・町田商店・一風堂・山岡家などが規模を競い、セントラルキッチンや店内仕込み、プロデュース店、海外展開など、それぞれの強みで成長を図っています。
市場動向
ラーメン店市場は、民間調査で2024年度に7,900億円となり、10年前の約1.6倍に拡大して過去最高を更新しました。全国には2016年時点で約1万8,000店があり、来店需要を示す1世帯あたりの中華そば(外食)支出も2024年に8,663円とコロナ前を上回っています。
- ラーメン店市場は2024年度に7,900億円となり、過去最高を更新しています。10年前の約1.6倍に拡大し、上位50社の店舗数も6,200店まで増えるなど、チェーンの積極出店が市場を押し上げました。
- 全国のラーメン店は2016年時点で約1万8,000店あり、個人経営が約6割を占めています。従業者数は約12万4,000人で、1店あたりの規模が小さい分散した市場です。
- 中華そば(外食)への1世帯あたり支出は2024年に8,663円まで回復しています。コロナ前2019年の7,200円に対し、2020年に5,565円まで落ち込んだ後、来店需要の回復が続いています。
競争環境
日本のラーメン業界は、個人経営の店が大多数を占める分散した市場で、そこに上場チェーンが店舗網を広げています。博多豚骨の一風堂(力の源ホールディングス)、横浜家系の町田商店(ギフトホールディングス)、首都圏の日高屋(ハイデイ日高)、中華そばの幸楽苑、ロードサイドの山岡家などが規模を競い、一蘭や天下一品などの有力ブランドは非上場で展開しています。原材料費の高騰への対応、値上げと需要の両立、淘汰のなかでの店舗網の拡大が主要な論点です。
- 個人店が中心の市場に、上場チェーンが台頭しています。日高屋を展開するハイデイ日高は連結売上556億円、町田商店のギフトホールディングスや一風堂の力の源ホールディングスも店舗網を広げ、ロードサイドの山岡家は高い収益性で成長しています(FY2025)。
- 多ブランドの外食企業もラーメンを1つの業態として展開しています。物語コーポレーションは丸源ラーメン、トリドールホールディングスはずんどう屋を抱え、複数業態のグループのなかでラーメンを手がけています。
- 効率的な経営と海外展開が差別化の軸となっています。直営店に加えて運営を支援するプロデュース店、味を安定させるセントラルキッチン、一風堂や一蘭などの海外展開を通じて、各社が成長の機会を探っています。
市場規模推移
2014-2024 · ラーメン店市場ラーメン店市場規模の推移(2014・2024年度、億円)
ラーメン店市場は、民間調査で2024年度に7,900億円となり、10年前の約1.6倍に拡大して過去最高を更新しました。家系や二郎系などのチェーンが積極的に出店し、上位50社の合計店舗数も10年で約1,200店増えて6,200店まで広がっています。一方、全国のラーメン店は2016年時点で約1万8,000店にのぼり、その約6割を個人経営が占めており、無数の個人店のなかにチェーンが店舗網を広げる構造です。
市場規模を示す数字は、何を対象に集計したかで幅があります。チェーンや専業企業を中心に集計した調査では2024年度に7,900億円、外食のラーメン業態に絞った別の民間推計では2024年に約4,870億円、個人店を含む全店を集計した経済センサスでは2016年時点で約6,019億円です。それぞれ対象とする範囲が異なるため、市場規模を比べるときはどの範囲を捉えた数字かを確認する必要があります。来店需要も回復が続いており、1世帯あたりの中華そば(外食)への支出は2019年の7,200円から2020年に5,565円まで落ち込んだ後、2024年には8,663円とコロナ前を上回りました。
ラーメンは、豚骨・小麦・各種の具材など輸入される原材料に収益を左右される業態です。原材料のトータルコストを示すラーメン原価指数は、2020年を100とすると2025年に141まで上昇し、5年で約1.4倍の水準となりました。店舗運営に多くの人手を必要とするため、人件費の上昇も収益を圧迫しています。
こうしたコスト上昇を受けて、各店は値上げを進めてきました。1杯の価格が1,000円に近づく「1000円の壁」が意識されるなかで、3,000円を超えるプレミアムな一杯を提供する店がある一方、低価格を維持する店もあり、価格帯の幅が広がっています。値ごろ感と値上げをどう両立させるかが、来店需要を左右しています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要ラーメンは、豚骨・醤油・味噌などのスープと麺を組み合わせて提供する外食業態で、博多豚骨・横浜家系・中華そば・つけ麺などの系統に分かれます。専門店やチェーンから個人経営の店まで幅広い事業者が担い、店内での飲食に加えてテイクアウトや冷凍ラーメンも広がっています。
この業態の特徴は、個人店が大多数を占める分散した市場である点です。全国のラーメン店は2016年時点で約1万8,000店あり、その約6割を個人経営が占めています。少数の企業が市場を占めているわけではなく、無数の個人店のなかに上場チェーンが店舗網を広げる構造となっています。
上場チェーンでは、首都圏で日高屋を展開するハイデイ日高が連結売上556億円で最大手級、横浜家系の町田商店を持つギフトホールディングス、博多豚骨の一風堂を国内外で展開する力の源ホールディングス、ロードサイドの山岡家(丸千代山岡家)などが規模を競っています(FY2025)。
このほか、物語コーポレーションの丸源ラーメン、トリドールホールディングスのずんどう屋など、複数業態を抱える外食グループもラーメンを手がけています。一蘭や天下一品などの有力ブランドは非上場で展開しており、上場チェーンと個人店、非上場ブランドが入り混じって競い合っています。
ラーメン業界は、原材料費の高騰による淘汰の局面にあります。ラーメン店の倒産は2024年に79件と過去最多となり、原価高に耐えきれない店が事業をやめる例が目立ちました。2025年は59件へ減少しましたが、個人店の閉業を含めると、より多くの店が市場から退出したとみられます。
生き残った店は、効率的な経営へ軸足を移しています。味を安定させ人手を抑えるセントラルキッチンや、キャッシュレスの券売機の導入が進み、大手の外食企業や投資ファンドが中小のラーメン店を取り込む再編も見られます。職人の一杯を守る個人店と、規模で効率を追うチェーンが共存しながら、業界の形が組み替わっています。
業界の3大論点
原材料費の高騰が続くなかで、個人店とチェーンの淘汰・再編はどう進むか?
ラーメンは、原材料費の高騰に直面しています。原材料のトータルコストを示す原価指数は、2020年の100から2025年に141まで上昇し、5年で約1.4倍の水準となりました。この影響を受けて、ラーメン店の倒産は2024年に79件と過去最多となり、原価高に耐えきれず事業をやめる店が目立ちました。
淘汰の中身を見ると、影響は店の規模によって分かれています。職人の技や味で競う個人店ほどコスト上昇を吸収しにくく、閉業に至りやすい一方、複数店を持つチェーンは仕入れや調理の効率化で耐性を高めています。2025年の倒産は59件へ減少しましたが、これは原価高が和らいだというより、生き残った店が効率的な経営へ軸足を移したことが背景にあります。
業界の構造も変わりつつあります。大手の外食企業や投資ファンドが中小のラーメン店を取り込む動きがあり、味の個性を保ちながら、調達や店舗運営をまとめて効率化する流れが進んでいます。職人の一杯を守る個人店と、規模で効率を追うチェーンが共存しながら、淘汰と再編を通じて業界の形が組み替わっていく見通しです。
「1000円の壁」を越える値上げは受け入れられるか?
ラーメンには、1杯の価格が1,000円に近づくと客が離れやすくなるという「1000円の壁」が長く意識されてきました。原材料費や人件費の上昇を受けて値上げが避けられないなかで、この心理的な壁をどう越えるかが、各店の課題となっています。値ごろ感を強みとしてきた業態だけに、値上げが来店の頻度を損なわないかが問われています。
対応は二極化が進んでいます。一方には、3,000円を超えるプレミアムな一杯や、素材や体験に付加価値を持たせて単価を引き上げる店があります。もう一方には、低価格を維持して客数を確保する店があり、来店客の支払額には大きな幅が生まれています。1世帯あたりの中華そば(外食)への支出が2024年にコロナ前を上回ったことは、値上げのなかでも需要が戻っていることを示しています。
各店が取りうる方向は分かれています。価格に転嫁して単価を高める道、トッピングやサイドメニューで一人あたりの注文を増やす道、効率化でコストを抑えて価格を据え置く道などがあり、多くの店はこれらを組み合わせています。消費者の値上げへの受け止めは価格帯によって異なり、「1000円の壁」とどう向き合うかは、今後も各店の戦略を分ける見通しです。
国内の分散した市場で、チェーンはどこに成長を求めるか?
国内のラーメン市場は、個人店が大多数を占める分散した構造です。そのなかで上場チェーンは、効率的な経営を武器に店舗網を広げ、国内での出店と海外展開の双方に成長の機会を求めています。味を安定させ人手を抑えるセントラルキッチンや、キャッシュレスの券売機などが、こうした拡大を支えています。
出店の手法も多様です。ギフトホールディングスは、直営店に加えて、独立した店主の運営を支援するプロデュース店の仕組みで店舗網を広げてきました。チェーンが培った調達や運営の仕組みを生かしながら、店の数を増やす動きが各社で見られます。
もう一つの軸が海外です。一風堂を展開する力の源ホールディングスや一蘭などは、海外でのラーメン人気を背景に出店を進めてきました。日本で磨いた一杯を海外市場へ持ち出す動きは、国内市場が大きく伸びにくいなかでの成長戦略となっています。国内の効率化と海外の開拓を、各社がどう組み合わせるかが、成長の鍵を握る見通しです。
よくある質問 (FAQ)
ラーメンの市場規模はどれくらいですか?
全国にラーメン店は何店ありますか?
なぜラーメン店の倒産が増えているのですか?
ラーメン原価指数とは何ですか?
上場しているラーメンチェーンはどこですか?
「1000円の壁」とは何ですか?
一風堂や一蘭の海外展開はどうなっていますか?
ラーメン店は中華料理店やインスタントラーメンとどう違いますか?
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