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家電量販店の主要チェーン比較|上場各社の業績と特徴【2026年版】

家電量販店は、売上高1兆6,918億円のヤマダホールディングスが突出した最大手で、ノジマ(9,828億円)、ビックカメラ(9,745億円)、エディオン(7,937億円)、ケーズホールディングス(7,597億円)などが続きます。各社の売上には住宅・通信・金融など家電以外の事業が含まれ、決算期も3月期と8月期で揃いません。上場6社の連結業績と事業の特徴を、これらの前提を踏まえて整理します。

上場6社の連結業績と事業の特徴

各社の連結全社ベース(住宅・通信・金融等の非家電を含む社あり)。売上順位は全社規模を示し、家電の物販規模を直接比べたものではない。決算期はチェーンで異なる

連結売上高では、ヤマダ(16,918億円)が2位以下に2倍近い差をつける最大手です。ノジマとビックカメラが約1兆円で続き、エディオン・ケーズが約8,000億円、上新が4,367億円です。2025年は多くの社が増収で、なかでもノジマは+15.2%、上新は+8.3%と大きく伸びました。

一方、営業利益はヤマダが162億円と前年から大きく減りました。これは約240億円の戦略的な在庫処分とポイント施策の先行負担によるもので、増収のなかでの一時的な利益の落ち込みです。ノジマは営業利益581億円と6社で最も大きく、規模で上回るヤマダを利益額で逆転しています。売上の規模と利益の大きさが必ずしも一致しない点が、各社の事業構成の違いを映しています。

ヤマダホールディングス — 突出した最大手

売上高1兆6,918億円(前年比+3.9%)と、2位以下に2倍近い差をつける業界最大手です。「ヤマダデンキ」のテックランド・LABIなどを全国に展開し、郊外型から都市型まで幅広い店舗網を持ちます。家電の物販にとどまらず、住宅(ヤマダホームズ)・家具(大塚家具)・金融・環境(リユース)へと多角化を進め、家電量販店から「暮らしまるごと」を扱う企業への転換を掲げています。

2026年3月期は増収となった一方、営業利益は162億円(前年比-62.2%)と大きく落ち込みました。これは約240億円の戦略的な在庫処分と、ポイント施策の先行負担を計上したことによるもので、翌期(2027年3月期)は営業利益が回復する見通しを示しています。規模の大きさを生かした商品調達力と多角化が強みですが、本業の収益力の回復が当面の課題です。

2026年6月には、業界で売上規模の大きいエディオンと経営統合で基本合意しました。2027年10月に持株会社を設立する計画で、実現すれば売上約2.5兆円の国内最大グループが誕生します。ただし現状は両社とも別会社として上場しており、統合は将来の予定です。

ノジマ — 利益額で最大、買収で躍進

売上高9,828億円(前年比+15.2%)と過去最高を更新し、ビックカメラを上回って実質的な業界2位グループに入りました。神奈川県を発祥とする家電量販「ノジマ」に加え、携帯電話のキャリアショップを運営するITX(通信)や、パソコンのVAIOを手がける事業を連結に持つことが特徴です。

営業利益は581億円(前年比+20.1%)と6社で最も大きく、売上で勝るヤマダを利益額で逆転しています。2026年3月期の大幅増益は、ITX(通信)の収益拡大と、Windows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要が押し上げたものです。売上には通信などの非家電事業が含まれるため、家電量販の規模そのものはこの売上より小さい点に留意が必要です。

2026年4月には、日立の家電事業(日立グローバルライフソリューションズ)の買収を発表しました。メーカーの機能を取り込む「製販一体」を志向する動きで、買収は2027年3月期中に実行される予定です。これは将来の戦略で、2026年3月期の業績には反映されていません。

ビックカメラ — 都市型・駅前店の代表格

売上高9,745億円(前年比+5.6%)と過去最高を更新しました。鉄道のターミナル駅前に大型店を構える都市型の代表格で、ポイント還元とネット通販(ビックカメラ.com)を組み合わせた集客に強みを持ちます。郊外型のコジマ(子会社)と、中古・専門のソフマップを連結に持ち、都市型と郊外型の業態を補完しています。

2026年8月期(注: ビックカメラとコジマは8月決算)は、営業利益303億円(前年比+24.1%)と、売上・各利益段階で過去最高を更新しました。インバウンド(訪日客)需要の取り込みや、都市部の店舗の集客回復が寄与しています。なお決算期が8月のため、3月決算の他社とは対象期間がずれており、同じ期での横並び比較はできません。

エディオン — 中部・関西地盤、統合を控える

売上高7,937億円(前年比+3.3%)で、中部・関西を地盤とする大手です。直営店に加え、地域の電器店が加盟するフランチャイズ(エディオン会)を全国に持つことが特徴で、家電の販売だけでなくリフォームや住宅設備も手がけ、地域に密着したサービスで顧客を囲い込んでいます。

営業利益は258億円(前年比+10.2%)と増益を確保しました。2026年6月に最大手のヤマダホールディングスと経営統合で基本合意しており、統合が実現すれば国内最大の家電量販グループの一翼を担うことになります。地盤や業態の異なる両社の統合が、商品調達や店舗網にどう作用するかが今後の焦点です。

ケーズホールディングス — 「がんばらない経営」の郊外大型店

売上高7,597億円(前年比+2.9%)で、「ケーズデンキ」を全国に展開しています。北関東を発祥とし、幹線道路沿いの郊外大型店を中心に出店してきました。過度な拡大や値引き競争を避け、無理のない範囲で堅実に利益を確保する「がんばらない経営」を掲げていることで知られます。

その経営方針を映し、営業利益は268億円(前年比+23.0%)、経常利益も増益と、収益面は安定しています。派手な多角化や大型買収は控えめで、家電の物販を軸に、接客や延長保証などのサービスで顧客満足を高める路線をとっています。

上新電機(ジョーシン) — 関西地盤、PC・猛暑需要で増益

売上高4,367億円(前年比+8.3%)で、関西を地盤とする大手です。家電に加え、玩具・ホビーの専門店「キッズランド」を併設するなど、品ぞろえに独自色があります。家電量販のなかではネット通販の比率が高く、EC化が進んでいる点も特徴です。

2026年3月期は、Windows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替えと、記録的な猛暑によるエアコン需要が重なり、営業利益54億円(前年比+47.0%)と大幅な増益でした。なお純利益は前期をわずかに下回りましたが、これは前の期に投資有価証券の売却益などの一時的な利益があった反動によるもので、本業の利益(営業利益・経常利益)はいずれも大きく伸びています。

ヨドバシカメラとコジマ — 非上場・子会社

ヨドバシカメラは非上場の独立系で、詳細な財務は官報の決算公告に限られるため、上の比較表には含めていません。都市部の駅前に大型店を構え、ネット通販ヨドバシ.comの売上は2,268億円(2024年3月期)にのぼり、家電量販のネット通販の先行者として知られます。EC比率は約3割と高く、ネット通販での存在感は上場大手に引けを取りません。

コジマはビックカメラの子会社(8月決算)で、郊外型の店舗を主体に展開しています。都市型のビックカメラとは出店する立地が異なり、グループ内で業態を補完する役割を担っています。このように、上場各社のほかにも非上場・子会社の有力なプレイヤーが存在し、業界は上場6社だけで完結しているわけではありません。

主要論点

各社の売上は、そのまま家電量販の規模として比べてよいのか?

各社の売上高を単純に並べて規模を比べるときには、注意が必要です。売上には、家電の物販以外の事業が含まれているためです。ヤマダは住宅(ヤマダホームズ)・家具・金融を、ノジマは携帯電話ショップの運営(ITX)やパソコン事業を、それぞれ連結に取り込んでいます。

そのため、たとえばノジマの売上9,828億円には通信などの事業が含まれ、家電量販だけの規模はこの数字より小さくなります。各社で非家電事業の比重が異なるため、連結売上の順位は「企業グループ全体の規模」を示すもので、「家電の物販の規模」を直接比べたものではありません。

さらに決算期も揃いません。ビックカメラとコジマは8月決算、ほかの各社は3月決算です。対象とする期間が一部ずれるため、同じ条件での厳密な比較はできず、各社の最新の通期実績を「だいたいの規模感」として捉えるのが実態に近い読み方です。

なぜ売上の規模と利益の大きさが一致しないのか?

2026年の決算では、売上の規模と利益の大きさが一致しない現象が起きました。売上で最大のヤマダ(16,918億円)の営業利益が162億円であるのに対し、売上で下回るノジマ(9,828億円)の営業利益は581億円と、利益額ではノジマがヤマダを上回りました。

要因は、各社の事業の中身の違いと、一時的な費用にあります。ヤマダは2026年3月期に約240億円の戦略的な在庫処分とポイント施策の先行負担を計上したため、増収ながら営業利益が前年から大きく減りました。一方ノジマは、利益率の高い通信事業(ITX)の伸びとパソコン特需が利益を押し上げました。

家電の物販はもともと薄利の事業です。各社は、ポイントや延長保証、設置工事、通信・住宅・金融といった周辺の事業で利益を補う構造をとっており、その構成の違いが利益の差に表れます。単年の利益額だけでなく、一時的な要因や事業構成を合わせて読むことが大切です。

上位の顔ぶれは、今後どう変わるのか?

家電量販店の上位の顔ぶれは、固定されたものではありません。コンビニのように少数の企業で固定された寡占ではなく、ヤマダの突出と、それに続く上位数社の競争という構図で、順位は多角化や買収によって動いてきました。実際、ノジマは通信事業の取り込みと買収で売上を伸ばし、ビックカメラを上回りました。

今後、最も大きな変化要因となるのが経営統合です。2026年6月、最大手のヤマダと、売上規模の大きいエディオンが経営統合で基本合意しました。2027年10月の持株会社の設立が実現すれば、売上約2.5兆円の突出した最大グループが誕生し、これに約1兆円規模のノジマ・ビックカメラが続く構図へと、勢力図が塗り替わる可能性があります。

ノジマによる日立の家電事業の買収など、メーカーの機能を取り込む動きも進んでいます。成熟した市場のなかで規模を確保し、ネット通販に対抗できる調達力やサービスを築けるかが、各社の順位を左右する論点です。

中期見通し

近未来1-2年

ヤマダとエディオンの経営統合に向けた手続きの進展が、業界の最大の焦点です。2027年10月の持株会社設立に向け、両社の店舗網や商品調達の整理が進む見通しです。ヤマダは在庫処分などの一時費用が一巡し、営業利益が回復するかが問われます。各社とも、2025年のパソコン・猛暑需要の反動を、サービスや周辺事業でどこまで補えるかが課題となります。

中期3-5年

統合・買収による規模の確保と、家電以外の収益源の拡大が各社の業績を左右します。ヤマダの住宅・金融、ノジマの通信・製販一体、エディオンのリフォーム・住設など、各社は周辺事業の比重を高めています。ネット通販との競争のなかで、店舗とネットを組み合わせた集客や、商品調達力をどう高めるかが、上位の順位を決める要因になります。

長期

人口減少と買い替え中心の需要のもとで、国内の家電販売が大きく伸びにくいなか、規模の確保と多角化が生き残りの軸となります。経営統合で誕生する最大グループと、独自の地盤・業態を持つ各社が、それぞれの強みで競う構図が続く見通しです。各社の財務を読む際は、連結に含まれる非家電事業と決算期の違いを踏まえることが前提となります。

よくある質問

家電量販店の売上ランキングはどうなっていますか?
連結売上高では、ヤマダホールディングスが1兆6,918億円で突出した最大手です。これにノジマ(9,828億円)、ビックカメラ(9,745億円)、エディオン(7,937億円)、ケーズホールディングス(7,597億円)、上新電機(4,367億円)が続きます。ただし売上には住宅・通信・金融など家電以外の事業を含む社があり、決算期も3月期と8月期で揃わないため、家電の物販規模を直接比べた数字ではありません。
家電量販店で一番大きいのはどこですか?
売上高では、ヤマダホールディングス(1兆6,918億円)が2位以下に2倍近い差をつける最大手です。ただし2026年6月にヤマダとエディオンが経営統合で基本合意しており、2027年10月に持株会社が設立されれば、売上約2.5兆円の国内最大グループが誕生する見通しです。これは将来の予定で、現状は両社とも別会社として上場しています。
売上が大きいヤマダの利益が、なぜノジマより小さいのですか?
2026年3月期、ヤマダは増収だったものの、約240億円の戦略的な在庫処分とポイント施策の先行負担を計上したため、営業利益が162億円と前年から大きく減りました。一方ノジマは、利益率の高い通信事業(ITX)とパソコン特需で営業利益581億円と6社で最大となり、売上で勝るヤマダを利益額で上回りました。
ヨドバシカメラの売上はどのくらいですか?
ヨドバシカメラは非上場のため、詳細な財務は官報の決算公告に限られ、本ページの比較表には含めていません。ネット通販「ヨドバシ.com」の売上は2,268億円(2024年3月期)で、EC比率は約3割と高く、家電量販のネット通販の先行者として知られます。都市部の駅前大型店とネット通販を組み合わせた事業を展開しています。
なぜ各社の決算を単純に比較できないのですか?
理由は2つあります。第1に、売上に含まれる事業の範囲が社によって異なるためです。ヤマダは住宅・金融、ノジマは通信を連結に含むなど、家電以外の事業の比重が異なります。第2に、決算期が揃わないためです。ビックカメラとコジマは8月決算、ほかの各社は3月決算で、対象期間が一部ずれます。このため、各社の最新の通期実績を規模感として捉えるのが実態に近い読み方です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 決算短信(ヤマダHD・ノジマ・ビックカメラ・エディオン・ケーズHD・上新電機)
  2. 2.
    ヤマダホールディングス・エディオン「経営統合に関する基本合意」(2026年6月5日)
  3. 3.
    ヨドバシカメラ 公表値
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