READY-TO-EAT & DELIVERY外食・中食

中食・デリバリー業界の市場規模・主要企業・動向

日本の中食市場は2025年に11兆7,075億円へ拡大し、共働き・単身世帯の増加やタイパ志向を背景に「食の外部化」が定着しています。

中食・デリバリー業界とは、持ち帰り(テイクアウト)・宅配(デリバリー)・惣菜など、家庭の外で調理された食品を家庭や職場で食べる「食の外部化」を担う産業領域を指します。惣菜市場は2025年に11兆7,075億円(前年比+3.7%)へ拡大し、2024年に初めて11兆円を突破しました。販路はコンビニが構成比30.8%で最大を占める一方、食料品スーパーや惣菜専門店が市場を牽引しています。フードデリバリーはコロナ禍での急拡大の後に調整局面へ入り、販路構造・製造受託・デリバリーの収益化・コスト上昇への対応が共通の論点です。本ページでは、日本の中食・デリバリー業界を、市場規模、販路・業態構造、フードデリバリー、主要企業、冷凍食品・ミールキットの5軸で整理します。

最終更新

業界サマリ

業界概要

中食・デリバリー業界とは、持ち帰り・宅配・惣菜など、家庭の外で調理された食品を持ち帰ったり届けてもらって食べる「食の外部化」を担う産業領域です。共働き・単身世帯の増加や高齢化を背景に市場は拡大を続けており、惣菜市場は2025年に11兆7,075億円へ達しています。

  • 食の外部化を背景に中食市場は拡大しています。共働き世帯や単身世帯の増加、調理の手間を省くタイパ志向を受けて、惣菜市場は2024年に初めて11兆円を突破しました。
  • コンビニ・スーパー・専門店が主な販路です。コンビニが構成比30.8%で最大を占める一方、食料品スーパーや惣菜専門店が伸びており、商品はわらべや日洋などの製造受託メーカーが供給しています。
  • フードデリバリーと冷凍食品が中食の届け方・品揃えを広げています。Uber Eatsや出前館が宅配を担い、冷凍食品やミールキットとの境界も融合が進んでいます。
基礎データ: 日本惣菜協会 惣菜白書 / 日本冷凍食品協会 / 日本フードサービス協会 / 各社 有価証券報告書

市場動向

中食(惣菜)市場は2025年に11兆7,075億円(前年比+3.7%)へ拡大し、2024年に初めて11兆円を突破しました。冷凍食品の消費も2025年に金額ベースで1兆3,614億円へ伸び、食の外部化が市場全体を押し上げています。

  • 惣菜市場はコロナ禍からの回復を経て拡大を続けています。2019年の10兆3,200億円から2020年に9兆8,195億円(前年比95.2%)へ一時縮小したものの、その後は毎年拡大し、2025年に11兆7,075億円へ達しました。
  • 販路別ではスーパーと専門店の伸びが目立ちます。コンビニは構成比30.8%で最大ですが伸びは緩やかで、食料品スーパーは前年比+4.9%、惣菜専門店は+4.2%と市場を牽引しています。
  • 冷凍食品は家庭用・業務用がともに増加しています。2025年の生産額は8,577億円(前年比+6.4%)で、業務用が4,119億円、家庭用が4,458億円となり、家庭用がやや高い伸びを示しています。
基礎データ: 日本惣菜協会 惣菜白書(業態別市場、2019-2025年)/ 日本冷凍食品協会(生産・消費、2025年)

競争環境

中食・デリバリー業界には、惣菜の製造受託メーカー、惣菜専門店、フードデリバリー事業者、宅配・ミールキット事業者といった異なる類型のプレイヤーが活動しています。多数の事業者が参入する競争市場で、領域ごとに主要なプレイヤーが分かれています。

  • 惣菜の製造・専門店では上場各社が事業を競っています。わらべや日洋ホールディングスやシノブフーズがコンビニ向けに製造受託を担い、ロック・フィールド(RF1)や柿安本店が百貨店・専門店で惣菜を展開しています。
  • フードデリバリーはUber Eatsと出前館が中心です。利用者数ではこの2社に利用が集まり、Woltなどが続きますが、収益化の難しさが共通の課題となっています。
  • 宅配・ミールキットではオイシックス・ラ・大地が代表格です。Kit Oisixなどのミールキットや食材宅配が、持ち帰り弁当大手のプレナス(ほっともっと)とは異なる届け方で食の外部化を支えています。
基礎データ: 各社 有価証券報告書(FY2025連結)/ 日本惣菜協会 惣菜白書

市場規模推移

2019-2025 · 中食(惣菜)市場

中食(惣菜)市場規模の推移(2019-2025年、兆円)

単位: 兆円
0.003.757.5011.315.010.3199.822010.12110.52211.02311.32411.725
出典: 一般社団法人日本惣菜協会「惣菜白書」(中食〔惣菜〕市場規模、2019-2025年。コンビニ・スーパーの惣菜販売を含む)
年度2019202020212022202320242025
中食(惣菜)市場兆円10.329.8210.1110.4710.9811.2911.71
前年比-4.8%+3.0%+3.5%+4.9%+2.8%+3.7%
市場規模の読み解き
中食市場はコロナ禍からの回復を経て過去最高へ

中食(惣菜)市場は2019年の10兆3,200億円から、新型コロナの影響で2020年に9兆8,195億円(前年比95.2%)へ一時減少しました。その後は毎年拡大を続け、2024年に初めて11兆円を超え、2025年には11兆7,075億円(前年比+3.7%)と過去最高を更新しています。家庭で調理する内食、惣菜などの中食、店内で食べる外食という食市場の中で、共働き・単身世帯の増加やタイパ志向を背景に「食の外部化」を担う中食が存在感を高めています。

ただし市場規模は集計の対象範囲によって幅があります。コンビニやスーパーの惣菜販売まで含む日本惣菜協会の集計で約11.7兆円(2025年)、持ち帰り弁当店・惣菜店などの料理品小売業に絞る日本フードサービス協会の集計で約7.6兆円(2023年)と、対象範囲や調査年の違いで数字が異なります。

中食市場の規模と推移を詳しく見る

スーパー・専門店が牽引し、新販路も広がる

販路別ではコンビニが構成比30.8%(3兆6,044億円)で最大を占めますが、伸びは緩やかになっています。一方で食料品スーパーは前年比+4.9%、惣菜専門店は+4.2%と市場を牽引し、百貨店は微減となりました。近年はドラッグストアも惣菜の取り扱いを広げ、2024年に715億円規模へ拡大しています。

コンビニ向けの中食は、わらべや日洋ホールディングスやシノブフーズなどの製造受託メーカーが米飯・調理パン・惣菜を供給する構造です。原材料・人件費・物流費の上昇を受けて値上げも進んでおり、各業態で収益性に差が出ています。

販路・業態構造と製造受託を詳しく見る

冷凍食品・宅配が届け方と品揃えを広げる

冷凍食品の消費は2025年に金額ベースで1兆3,614億円へ伸び、生産額も8,577億円(前年比+6.4%)へ拡大しました。外食・中食向けの業務用と家庭用がともに増加しており、ミールキット(Kit Oisix)やテイクアウトと中食の境界も融合が進んでいます。

フードデリバリーはコロナ禍での急拡大の後、調整局面へ入りました。Uber Eatsと出前館が中心ですが、出前館は複数の期にわたり最終赤字となるなど、宅配事業の収益化が業界共通の課題となっています。

フードデリバリーの市場と収益を詳しく見る

冷凍食品・ミールキットを詳しく見る

主要トピック

業界構造

主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要
中食・デリバリー業界の構造
主要プレイヤー (2026年6月時点)
01
主要プレイヤー(4類型)
上場各社の売上は連結通期 FY2025
フードデリバリー
出前館
連結 約397億円(FY2025、営業損益は赤字)
宅配プラットフォーム大手、収益化が課題で複数の期にわたり最終赤字
Uber Eats
宅配プラットフォーム最大手級(米Uber、日本では非上場)
Wolt
フィンランド発の宅配プラットフォーム(DoorDash傘下、非上場)
宅配・ミールキット
オイシックス・ラ・大地
連結 約2,560億円(FY2025)
食材宅配・ミールキット(Kit Oisix)大手、宅配で食の外部化を支える
生活協同組合(コープ)
食材・惣菜の宅配(個配)、全国の生協が展開(非上場)
ヨシケイ
夕食食材・ミールキットの宅配(非上場)
02
販路・供給側
Channel & Supply
主な販路(小売業態)
コンビニエンスストア
構成比30.8%(2025年)で最大、セブン・ファミマ・ローソン等。店舗数は全国5万店以上で中食の最大販路
食料品スーパー
前年比+4.9%(2025年)と市場を牽引、生鮮の買い物と合わせた惣菜需要
惣菜専門店
前年比+4.2%(2025年)、できたて・付加価値型
ドラッグストア
新販路として拡大、惣菜市場は2024年に715億円規模
コスト要素
原材料費
円安・物価高による食材高、価格改定で転嫁
人件費・物流費
最低賃金・配送費の上昇、製造受託は利益率が薄い
03
需要側
Demand Side
食の外部化を支える要因
共働き・単身世帯の増加
調理の手間を省く中食需要を押し上げ
高齢化
少量・調理済み食品への需要、宅配の利用
タイパ(時間効率)志向
弁当・おにぎり等の米飯類が市場の約44%を占める
業界構造の読み解き

中食・デリバリー業界は、持ち帰り・宅配・惣菜という食の外部化を担い、コンビニ・食料品スーパー・総合スーパー・百貨店・惣菜専門店という複数の販路で構成される。2025年の市場規模は11兆7,075億円に達し、販売される店舗数では全国に5万店以上を展開するコンビニが大きな割合を占める。販路で売られる惣菜の多くは、わらべや日洋ホールディングスなどの製造受託メーカーが製造しており、売る会社と作る会社が分かれているのが特徴である。

主要プレイヤーは4つの類型に整理できる。製造受託メーカーはわらべや日洋ホールディングス(連結約2,225億円)やシノブフーズ、フジッコがコンビニ・スーパー向けに惣菜・米飯・調理パンを供給する。惣菜専門店はロック・フィールド(RF1)や柿安本店が百貨店・専門店で付加価値型の惣菜を展開する。フードデリバリーはUber Eatsと出前館が宅配の大半を占め、宅配・ミールキットはオイシックス・ラ・大地(Kit Oisix)が代表する。持ち帰り弁当ではプレナス(ほっともっと)などの大手もあり、領域ごとに主要なプレイヤーが分かれている。

中食事業は、原材料・人件費・物流費の影響を受けやすく、近年はこれらの上昇を受けて値上げが進んでいる。製造受託は利益率が薄く、フードデリバリーは配送手数料や送料の負担が収益を左右する。一方で、共働き・単身世帯の増加や高齢化を背景とした食の外部化は中長期の需要を支える要因となっており、各社は商品の付加価値や効率化で収益性の改善を進めている。

業界の3大論点

01
なぜ中食市場はコロナ後も拡大を続けているのか?

中食(惣菜)市場は2019年の10兆3,200億円から、新型コロナの影響で2020年に9兆8,195億円(前年比95.2%)へ一時的に縮小しました。しかしその後は毎年拡大を続け、2024年に初めて11兆円を超え、2025年には11兆7,075億円(前年比+3.7%)と過去最高を更新しています。

拡大の背景には「食の外部化」と呼ばれる構造的な変化があります。家庭で一から調理する内食に対し、惣菜や弁当を購入して家庭や職場で食べる中食、店内で食べる外食という3つの食市場のうち、中食が存在感を高めています。共働き世帯や単身世帯の増加、高齢化、調理の手間を省きたいというタイパ(時間効率)志向が、調理済み食品への需要を支えています。実際に惣菜協会の調査では、弁当やおにぎりなどの米飯類が市場の約44%を占め、一般惣菜と合わせて約8割に達しています。

一方で、拡大が今後も同じペースで続くとは限りません。物価高や原材料価格の上昇を受けた値上げが進むなかで、消費者が価格上昇をどこまで受け入れるかには限界も指摘されています。人口減少という長期的な制約もあり、各社は商品の付加価値や品揃えの拡張で需要を取り込もうとしています。

02
なぜコンビニの販路が伸び悩み、スーパー・専門店が伸びているのか?

中食の販路は、コンビニエンスストア、食料品スーパー、総合スーパー、百貨店、惣菜専門店に分かれます。2025年の構成比ではコンビニが30.8%(3兆6,044億円)で最大ですが、前年比の伸びは緩やかです。これに対し、食料品スーパーは前年比+4.9%、惣菜専門店は+4.2%と高い伸びを示し、市場を牽引しています。

背景には販路ごとの強みの違いがあります。コンビニは店舗数で全国に5万店以上を展開し、すでに広く普及していることもあって、新規の伸びしろが限られています。一方で食料品スーパーは、生鮮食品の買い物と合わせて惣菜を購入する需要や、家族向けの量・価格帯への対応で支持を広げています。惣菜専門店は、できたての品質や専門性を打ち出して付加価値の高い商品を提供しています。近年はドラッグストアも惣菜の取り扱いを広げ、2024年には715億円規模へと拡大しています。

また、販路で売られる惣菜の多くは、わらべや日洋ホールディングスやシノブフーズなどの製造受託メーカーが製造しています。とくにコンビニ向けの米飯や調理パンは、こうしたメーカーが大量に供給する構造です。原材料・人件費・物流費の上昇を各社がどう価格に反映し、品質と価格のバランスを取るかが、販路間の競争を左右しています。

03
フードデリバリーは市場拡大後もなぜ収益化に苦しむのか?

フードデリバリーは、新型コロナ禍の巣ごもり需要を背景に2020年から急速に拡大しましたが、その後は急拡大が一服し調整局面に入りました。市場ではUber Eatsと出前館が中心で、Woltなどが続きます。

収益化の難しさは、出前館の業績に表れています。出前館の売上高はコロナ需要で伸びたあと2025年度は減少に転じ、営業損益は複数の期にわたって赤字が続いています。デリバリー事業は、注文を受けて配達員が店舗から利用者へ料理を届ける仕組みのため、配達にかかるコストや、利用者を獲得するための販促費の負担が大きく、規模を拡大しても利益が出にくい構造です。

さらに、巣ごもり需要が一巡したあと、利用者の利用頻度が落ち着いたことや、加盟店・利用者の獲得競争が続いていることも、収益を圧迫しています。各社は配送網の効率化や手数料体系の見直し、定額制(サブスクリプション)サービスの導入などで収益化を模索していますが、宅配という届け方のコストをどう吸収するかが業界共通の課題となっています。

よくある質問 (FAQ)

中食(なかしょく)とは何ですか?外食や内食とどう違いますか?
中食(なかしょく)とは、惣菜や弁当など、家庭の外で調理された食品を購入し、家庭や職場に持ち帰って食べる食事の形を指します。家庭で一から調理する「内食」、店内で調理して食べる「外食」に対する概念です。統計上は「料理品小売業」として外食とは区別されます。市場規模は日本惣菜協会の集計で2025年に11兆7,075億円で、店内で飲食する外食(約24兆円)とは別のカテゴリです。
中食(惣菜)市場の規模はどのくらいですか?
日本惣菜協会の「惣菜白書」によると、中食(惣菜)市場の規模は2025年に11兆7,075億円(前年比+3.7%)で、過去最高を更新しました。新型コロナの影響で2020年に9兆8,195億円へ一時縮小しましたが、その後は毎年拡大し、2024年に初めて11兆円を突破しました。なお、持ち帰り弁当店・惣菜店などの料理品小売業に絞る日本フードサービス協会の集計では、2023年で約7.6兆円と、対象範囲によって数字が異なります。
中食(惣菜)はどこで売られていますか?
惣菜の主な販路は、コンビニエンスストア、食料品スーパー、総合スーパー、百貨店、惣菜専門店です。2025年の構成比ではコンビニが30.8%(3兆6,044億円)で最大ですが、伸びは緩やかです。一方で食料品スーパー(前年比+4.9%)や惣菜専門店(+4.2%)が市場を牽引しています。近年はドラッグストアも惣菜の取り扱いを広げ、2024年に715億円規模へ拡大しています。
コンビニの惣菜は誰が作っているのですか?
コンビニ向けの中食(米飯・調理パン・惣菜)の多くは、製造受託メーカーが供給しています。代表的な企業には、わらべや日洋ホールディングス(2025年売上約2,225億円、セブン-イレブン向け中心)やシノブフーズなどがあります。コンビニ各社は商品を企画・販売し、製造は専門メーカーが担うという、売る会社と作る会社が分かれた構造が特徴です。
フードデリバリーの市場と主要企業はどうなっていますか?
フードデリバリーは、新型コロナ禍の巣ごもり需要を背景に拡大しましたが、その後は急拡大が一服し調整局面に入っています。市場ではUber Eatsと出前館が中心で、Woltなどが続きます。出前館は売上が一巡したあと2025年度は減少し、営業損益は複数の期にわたって赤字が続くなど、宅配事業の収益化が業界共通の課題となっています。
冷凍食品やミールキットは中食とどう関係しますか?
冷凍食品やミールキットは、調理の手間を省く食品として中食と需要が重なり、品揃えを広げる存在です。冷凍食品の消費は2025年に金額ベースで1兆3,614億円に達し、外食・中食向けの業務用と家庭用がともに増加しています。ミールキット(Kit Oisixなど)は、必要な食材とレシピをセットで届けるサービスで、惣菜やテイクアウトと家庭調理の中間に位置し、中食との境界が融合しつつあります。
中食市場は今後どうなりますか?
中食市場は、共働き・単身世帯の増加や高齢化、タイパ志向を背景とした「食の外部化」に支えられ、中長期的に需要が見込まれます。一方で、物価高や原材料価格の上昇を受けた値上げが進むなかで、消費者が価格上昇をどこまで受け入れるかには限界も指摘されています。人口減少という制約もあり、各社は商品の付加価値や品揃えの拡張、新たな販路の開拓で需要を取り込もうとしています。

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